歌舞伎オンデマンドで「土蜘」(巫女榊=中村米吉)を観た。歌舞伎美人での上演時間は 1:12-2:32 1時間20分で、配信の方は1時間24分だった。
配役は、叡山の僧智籌実は土蜘の精に松本幸四郎さん、源頼光に中村又五郎さん、番卒太郎に市川高麗蔵さん、番卒次郎に中村歌昇さん、渡辺綱に大谷廣太郎さん、坂田公時に中村鷹之資さん、碓井貞光に中村吉之丞さん、卜部季武に中村吉二郎さん、太刀持音若に中村種太郎さん、石神実は小姓四郎吾に中村秀之介さん、巫女榊に中村米吉さん、番卒藤内に中村勘九郎さん、平井保昌に中村錦之助さん、侍女胡蝶に中村魁春さん。
2022年5月には、尾上菊五郎さん、尾上菊之助さん、尾上丑之助さんの音羽屋親子孫三代、中村時蔵さん、中村梅枝さん、小川大晴さんの萬屋親子孫三代が出演して上演されたけれど、今回は、中村又五郎うさん、中村歌昇さん、中村種太郎さん(歌昇さん長男)、中村秀之介さん(歌昇さん次男)の播磨屋親子孫三代が重要な役を勤めた。
こうやって配役を書きながら気が付いたけれど、昼の部が「土蜘」(種太郎さん、秀之介さん)、夜の部が「連獅子」(丑之助さん)と松羽目物の舞踊が入っていたのは、中村吉右衛門さんに縁ある御曹司たちが無理なく出演できる演目で、上演時間や内容の重さに大きな差がないものをセレクトしていたのか。主役は「土蜘」が甥の松本幸四郎さん、「連獅子」が娘婿の尾上菊之助さん。これもバランスが取れている。
幸四郎さんは前シテの僧智籌では不気味さが出ていたものの、後シテの土蜘の精は少し迫力に欠けるように感じた。又五郎さんの頼光は貫禄があった。そして、種太郎さんの太刀持音若は、長袴に慣れていないこともあってか衣装に着られているようだったが、2016年2月生まれの7歳なのに役をしっかり勤めていた。弟の秀之助さんは2018年12月生まれのまだ4歳。かわいらしい石神だった。小姓四郎吾ということがばれ、番卒たちに「許してください」と謝る姿に、優しい眼差しを向けていた勘九郎さんが印象的だった。
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