歌舞伎オンデマンド 大江山酒呑童子

※当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています

歌舞伎オンデマンドで「大江山酒呑童子」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、12:24-1:18 54分で、配信は55分だった。

配役は、酒呑童子に中村勘九郎さん、平井保昌に松本幸四郎さん、渡辺綱に坂東巳之助さん、酒田公時に中村橋之助さん、碓井貞光に中村虎之介さん、卜部季武に市川染五郎さん、濯ぎ女わらびに中村児太郎さん、濯ぎ女なでしこに坂東新悟さん、濯ぎ女若狭に中村七之助さん、源頼光に中村扇雀さん。

この演目は、舞踊作家の萩原雪夫が十七世中村勘三郎のために書いた長唄の舞踊劇で、1963年(昭和38年)に初演された。歌舞伎公演データベースを見ると、勘九郎さんは今回が3回目だが、初めて勤めた2017年12月ロームシアター京都での舞台を私は観ていた。(だが、すっかり忘れている)。

話の筋は、源頼光らによる酒呑童子退治。前半の頼光一行の拵えは、「勧進帳」の義経一行に似た山伏の姿。花道すっぽんから登場した勘九郎さんの童子は可愛らしく愛嬌がある。この愛嬌が中村屋らしい。本舞台に移り、葛桶に座って童子は踊る。葛桶に座っての踊りは、あまり観たことがない。酒に目がない童子は、頼光らが持参した「神便鬼毒酒」(八幡神・住吉明神・熊野権現から賜った酒)を嬉しそうに飲み続ける。頼光の踊り、そして、童子の踊りと続く。四天王を翻弄し、童子は花道を引っ込む。素人目に見ても、童子の踊りは相当の力量を要するものというのが分かる。十八世勘三郎さんでも観たかった。(データベースを見ると、1992年1月大阪・中座、2008年8月歌舞伎座の2回だけだった)。

と、そこへ濯ぎ女たちが逃げてくる。身分の違う三人の女たちの踊りがあり、女たちの案内により頼光一行は童子の寝所へと向かうため花道を引っ込む。

大薩摩があり、大口袴の衣装を変えた頼光一行が花道から再び登場。勘九郎さんは可愛らしい童子の姿から、恐ろしい鬼神の姿となって舞台中央からせり上がる。いよいよ鬼神と頼光たちのバトルとなった。鬼神は長袴なので、一層足さばきが大変だ。そして、鬼神は成敗されてしまう。

最後に鬼神は大きな杯を手に、頼光に向かって大、保昌に入の字を書き、形を決めて幕となった。

勘九郎さんの見事な踊りだった。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました