歌舞伎オンデマンドで「勧進帳」を観た。歌舞伎美人での上演時間は1:19-2:32 1時間13分で、配信も同じだった。
配役は、武蔵坊弁慶に市川團十郎白猿さん、源義経に市川猿之助さん、亀井六郎に坂東巳之助さん、片岡八郎に市川染五郎さん、駿河次郎に尾上左近さん、常陸坊海尊に片岡市蔵さん、富樫左衛門に松本幸四郎さん、後見に市川齊入さん。
團十郎白猿さんの襲名披露狂言ということで、長唄連中が八挺八枚、鳴物さんたちの衣装が烏帽子に素襖・長袴という特別仕様。
團十郎白猿さん、幸四郎さん、染五郎さん、そして、左近さんは、皆、7代目松本幸四郎の血筋なので、義経四天王に染五郎さんと左近さんが抜擢されているのも襲名披露狂言だからなのだろう。
市川の姓を名乗る猿之助さんが、意外なことに「勧進帳」に殆ど出演していない。歌舞伎公演データベースを調べてみると、今回と、延期になった2020年5月の公演の2回しか出てこない。しかし、猿之助さんは亀治郎時代に2007年3月に行われたフランス・パリのオペラ座公演にて、「勧進帳」の義経を勤めているので初役ではないのだが、本興行の「勧進帳」は今回が初めてで、これまで義経四天王も勤めていなかったことに驚く。
まず、冨樫の幸四郎さん。幸四郎さんは弁慶も演じるけれど、冨樫の方が合っている。
次に、義経一行。猿之助さんの義経は眼光鋭く、只者ではない雰囲気を醸し出している。亀井六郎の巳之助さんは初役。これから、経験を積んでいくのだろう。駿河次郎の左近さんも初役。10代での経験は大きいことだろう。染五郎さんは既に義経を勤めているし、将来は弁慶も演じることになるだろうから、片岡八郎は貴重な役どころなのかもしれない。
最後に、弁慶の團十郎白猿さん。海老蔵時代に何度も勤めているお役、團十郎を襲名して、一層貫禄がついたという印象だった。
團十郎白猿さんと幸四郎さんの山伏問答は、年齢の近い演者ということもあってか、緊迫感みなぎるものだった。
コメント