歌舞伎オンデマンド 小鍛冶

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歌舞伎オンデマンドで「小鍛冶(こかじ)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は11:00-11:48 48分で、配信は50分だった。

配役は、童子実は稲荷明神に市川猿之助さん、三條小鍛冶宗近に市川中車さん、巫女小枝に中村壱太郎さん、弟子春彦に市川猿弥さん、弟子夏女に市川笑也さん、弟子秋彦に市川猿三郎さん、弟子冬女に市川笑三郎さん、勅使橘道成に市川左團次さん。(歌舞伎人には巫女や弟子の名前が記されておらず、猿三郎さんが掲載されなかったので、歌舞伎公演データベースを参考にした)。

この演目は能の「小鍛冶」を題材に、二世市川猿之助が初演したもの。澤瀉屋にとって重要な演目を、二世市川猿之助につながる猿之助さんと中車さんが演じる。

冒頭の竹本、三味線の方々が体を右に傾けながら、撥を下から上へ動かして演奏するのを初めて見た。また、後半で胡弓の演奏をするのも珍しい。文楽では三味線の人が琴や胡弓などを演奏することはちょくちょく見るけれど、歌舞伎で竹本の三味線が他の楽器を演奏するのを見た記憶がない。

宗近と童子・稲荷明神は台詞を言わず、竹本に合わせて身体表現(顔芸含む)のみで舞台を勤める。中車さんは2012年に歌舞伎界入りしてまだ10年も経っていないのに、一人で歌舞伎座の舞台で舞踊を披露するまでになった。俳優・香川照之やカマキリ先生としても大活躍している中、どれほど舞踊の稽古を重ねてきたことか。努力の人だわ。

猿之助さんの童子はかわいらしくも不思議な雰囲気を漂わせ、稲荷明神は勇壮で神々しかった。猿之助さんの身体能力は素晴らしい。そして、稲荷明神の金歯も見どころ。

間狂言は長唄となって雰囲気ががらっと変わる。巫女の壱太郎さんと、宗近の弟子たち役の澤瀉屋の皆さんによる舞踊。この場面では、皆さん台詞をしゃべる。猿弥さんが「ワクチンを早く打ちたい」と笑いを取っていた。

後半の見どころは、宗近と稲荷明神がリズミカルに刀を打つ場面なのは言うまでもない。座っている宗近の槌の柄は短く、立っている稲荷明神の槌の柄は長い。上手側から打つ音と、下手側から打つ音が微妙に違っていて、演出が細かい。文楽では火花の演出があったけれど、歌舞伎では難しいか。

猿之助さん中車さんによる「小鍛冶」、是非とも関西の劇場で観てみたいものだ。

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