歌舞伎特選DVDコレクション63 天衣粉上野初花 河内山

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「歌舞伎特選DVDコレクション」63号は「天衣粉上野初花(くもにまごううえののはつはな) 河内山(こうちやま)」で、平成30年(2018年)7月に大阪松竹座で行われた公演が収録されている。本編64分。音声ガイドは収録されていない。

収録されている公演は、松本白鸚さん襲名披露狂言として上演されたもので、通常の定式幕ではなく、白鸚さんと松本幸四郎さんの名を記した襲名祝幕が使われている。祝幕も、襲名披露興行の見どころの一つ。

河内山宗俊に松本白鸚さん、高木小左衛門に坂東彌十郎さん、宮崎数馬に市川高麗蔵さん、腰元浪路に中村壱太郎さん、北村大膳に松本錦吾さん、松江出雲守に中村歌六さんの配役。

「天衣粉上野初花」は河竹黙阿弥の作品で、明治14年(1881年)に初演された。明治期に初演された世話物の作品なので、音声ガイドがなくても十分話の筋は分かる。

この公演では、上州屋の娘・浪路が松江出雲守の妾になる話を断り、屋敷に閉じ込められているところ、河内山宗俊が金200両で浪路を取り戻す話を持ち掛ける「上州屋質見世の場」はなく、「松江邸広間の場」からはじまる。マガジンには<これまで>として、簡単に記載されている。

この演目の一番の見せ場は、上野寛永寺(徳川将軍家の菩提寺)の門主の使いの僧・北谷道海(きただにどうかい)に扮していた河内山が、正体を見破られて啖呵を切り、幕切れに「馬鹿め」と一喝して悠々と花道を引っ込むところ。使僧から河内山に変わり、流れるように七五調の台詞を聞かせるところは、同じく河竹黙阿弥の「弁天小僧」を思い起こさせる。

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