6月27日11時から生配信された図夢歌舞伎「忠臣蔵」の第一回を、アーカイブ配信で観た。
料金が4700円と少々高く(忠臣蔵の四十七士にちなんだものとのこと)、また、27日午前は所用があったため、当初は図夢歌舞伎を観るつもりはなかった。しかし、生配信が役者さんだけでなく、衣装や鬘、大道具、小道具、竹本、鳴物、付け打ちなど、歌舞伎に関わる方々も活躍する場だということに思い至り、物は試しとチケットを購入した。
第一回は「大序から三段目」で、高直師・塩谷判官・加古川本蔵に松本幸四郎さん、顔世御前に中村壱太郎さん、口上人形に市川猿弥さんの配役。口上人形があらすじなどを説明するものの、「大序から三段目」を35分で上演するのだから、「仮名手本忠臣蔵」を知っていないと、話についていけない。図夢歌舞伎は歌舞伎を見慣れた人向けだった。
事前に録画しておいた映像と、舞台で生の演技とを合わせるのは、中村獅童さんと初音ミクさんの超歌舞伎で既に行われているけれど、今回、松本幸四郎さんと中村壱太郎さんが行った、別の場所で同じ時間に芝居をして合わせるというのは、新しい試み。物理的な制約が大きい中で、顔世御前と高師直の手紙のやり取りをする場面は、相当稽古したのだろうなと思わせるものだった。
また、塩谷判官が高師直にいびられる場面は、塩谷判官目線で高師直を映していて、観客席からは絶対に観ることのできない構図がまた新鮮だった。
芝居後に松本幸四郎さん、中村壱太郎さん、そして市川猿弥さんでリモート映像三元中継によるトークが約30分行われた。しかし、市川猿弥さんのリモート映像がうまくいかず(おまけに、口上人形の口も壊れた)、しばらくして、中村壱太郎さんのところへ市川猿弥さんが合流(フェイスシールド着用)。今後、トークはないだろうけれど、いろいろ手探り状態で大変なのがうかがい知れた。
生配信の時は音声が聞こえにくいというトラブルがあったそうだが、アーカイブ配信では音声が調節されていた。それでも、聞き取りにくい箇所があったから(巻き戻し可能だけど)、音声の調整が今後の課題だろう。
今回は音声トラブルがあったとのことで、アーカイブ配信が28日午前11時までのところ、7月3日23時59分まで延長された。せっかくなので、もう一度観てみよう。
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