歌舞伎オンデマンドで「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、6:08-8:30 2時間22分で、配信は2時間21分だった。
配役は、髪結新三に尾上菊之助さん、弥太五郎源七に坂東彦三郎さん、手代忠七に中村萬太郎さん、お熊に中村児太郎さん、車力善八に尾上菊市郎さん、下剃勝奴に尾上菊次さん、家主女房おかくに市村萬太郎さん、家主長兵衛に河原崎権十郎さん、加賀屋藤兵衛に中村錦之助さん、後家お常に中村雀右衛門さん。
「髪結新三」は河竹黙阿弥が書いたもので、明治6年(1873年)に初演された。今回の上演では、冒頭に市川蔦之助さん演じる黙阿弥弟子蔦三が登場して(”蔦屋”の大向こうがかかっていた)、いろいろ説明していた。何でも、河竹黙阿弥が明治26年(1893年)に亡くなってから130年、初演から150年、初演時に髪結新三と大岡越前を勤めた五代目尾上菊五郎(1844年7月18日ー1903年2月18日)没後120年とのこと。その後、人物相関図が出てきて、簡単にお芝居の筋の説明。歌舞伎を見慣れていない人々にも分かりやすいが、今後も続けるのだろうか。
菊之助さんの新三は初めて観る。歌舞伎公演データベースを調べてみると、菊之助さんが新三を勤めるのは2018年3月国立劇場以来、2回目とのこと。白子屋の店先では爽やか系に見えるが、実は悪人。もう少し悪者の迫力があった方が良いように思ったが、回数を重ねると変わってくるのかな。
あまり目立たないけれど、実は芸達者な萬太郎さん。若い手代の忠七がはまっていた。
ホトトギスの鳴き声に、魚屋の鰹を売る声が初夏の雰囲気を出している。鰹の小道具はいつ見ても楽しい。
最大の見せ場は、新三と権十郎さん演じる大家長兵衛との話し合い。「鰹は半分もらったよ」。大家の無茶苦茶な論理だが、そんなものかと楽しむに限る。
弥太五郎源七の彦三郎さんは、頼りがいのある親分姿が似合っている。新三に面子を潰され、閻魔堂橋で待ち伏せ新三と斬りあい、切り口上で幕となる。菊之助さんと彦三郎さんは年齢が近く、バランスの取れた配役だったと思う。
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