歌舞伎オンデマンドで「増補双級巴（ぞうほふたつどもえ） 石川五右衛門」を観た。歌舞伎美人での上演時間は7:43-8:55 1時間12分で、配信の方は1時間11分だった。
配役は、石川五右衛門に松本幸四郎さん、三好修理太夫長慶に中村松江さん、三好四郎国長に中村歌昇さん、左忠太に大谷廣太郎さん、右平次に中村鷹之資さん、佐々木秀経に中村玉太郎さん、細川和氏に市川男寅さん、仁木頼秋に市村竹松さん、吉良定家に松本高麗五郎さん、呉羽中納言氏定に大谷桂三さん、此下藤吉久吉に中村錦之助さん。
この演目の最大の見どころは、花道上の宙乗りでつづら抜けを披露し悠々と去っていくところ。映像だと、鳥屋へ入る直前の姿まで鑑賞できるのが良い。宙乗りに至るまで、本物の呉羽中納言が五右衛門の手下に衣装をはぎ取られ、「まろはだか」と笑いをとったり（桂三さん、2021年10月の「時平の七笑」でも「まろはだか」やっていた）、街道における幸四郎さんの偽中納言と、錦之助さんの久吉のすれ違い、足利館での五右衛門と藤吉の再会を喜ぶ場面など、見せ場が続く。
宙乗りのあと、大薩摩の演奏、そして、「山門」へ続く。豪華な南禅寺山門に一面の桜、それに、貫禄ある五右衛門の姿はいかにも歌舞伎らしい場面。幸四郎さんの強い目力が印象的だった。
話の筋はさておき、五右衛門の活躍を楽しむ演目だった。
コメント