九月南座超歌舞伎 本公演 

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歌舞伎

演目・上演時間

一、映像 超歌舞伎の魅力

上演時間 11:00-11:05 / 3:30-3:35 5分

二、都染戯場彩(みやこぞめかぶきのいろどり)

配役 獅子の精:中村獅童 獅子の精:初音ミク 鳶頭:澤村國矢 公達:中村蝶紫   

上演時間 11:05-11:35 / 3:35-4:05 30分

三、御伽草子戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)

配役 源朝臣頼光/袴垂保輔:中村獅童 傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫:初音ミク 平井保昌:澤村國矢 山姥茨木婆:中村蝶紫   

上演時間 12:00-1:35 / 4:30-6:05 1時間35分

観劇記録

26日千穐楽午後3時半からの公演を観てきた。1階席後方と、2階席右側にビデオカメラが設置されていたけれど、どこかで放送されるのだろうか?

千穐楽ということで、客席には初音ミクさんの法被を着た熱心なファンの姿があった。映像「超歌舞伎の魅力」の始まる前から、色とりどりのペンライトが輝き、大向うの音がそこかしこから聞こえてくる。映像が始まると、曲に合わせてペンライトが振られる。ミクさんファン、超歌舞伎ファンは分かっている。

映像が終わっても客席のペンライトが全て消されなかったため、スクリーンが上がると、舞台上で「花の大内」に出演する役者さんたちがぼんやり見えている。せっかくのチョンパの効果が薄れてしまったのは残念だったけど、客席では、中村蝶紫さんを応援する紫の光が輝いていた。(熱心なファンは知っている)。

「月の吉原」では澤村國矢さんを応援する青い光、「雪の石橋」では、初音ミクさんを応援する緑の光、中村獅童さんを応援する赤い光に、紀伊国屋、初音屋、萬屋の大向うが飛び交っていた。

幕間に、西側ロビーで販売されていた舞台写真を見ていたら、カーテンコールでミクさんが手にしている赤い V シェイプのギターに繋ぎ馬が描かれていて驚いた。(リミテッドバージョンや配信を観たときには気づかなかった)。お芝居にも出てくる、繋ぎ馬を描いた赤旗の代わりなのだろう。

「御伽草紙戀姿絵」の幕が開くと、中村獅童さんが白塗り裃の正装で平伏していた。あいさつを済ますと、「千穐楽で話が長くなる」と前置きして話はじめた。

リミテッド公演の千穐楽にて、「台湾に来てください」と言われたとのこと。2016年の超歌舞伎でファンになり、日本に留学して、日本で働いている台湾の人だったそうな。「呼ばれたらどこにでも行きます」と獅童さんは力強く言っていた。

そして、南座から大入り袋が出たと懐から取り出し、観客に見せる。獅童さんのほかに、奥様やお子さんたちの分もあり、ちゃんとご家族の分もあるんだと感心していたら、最後に小川陽子さん(2013年に亡くなった獅童さんの母親)への大入り袋。これには泣かされた。そして、獅童さんは南座の顔見世(1994年12月)に加賀鳶で出演した時のエピソードを話す。

さらに、十八世中村勘三郎さんに「主役になれる男」と言われたことを話す獅童さん。私は辛うじて勘三郎さんの舞台を観ているので、存命時の勘三郎さんの人気や凄さは分かるけれど、若いミクさんファンには分かりづらいだろうな。

ようやくミクさんが登場して口上を述べ、お芝居が始まった。

客席では、数多くのペンライトが光り輝いている。

超歌舞伎は映像のミクさんが出演するので、台詞の追加や変更はほぼないものと思っていたのだが、獅童さんの頼光が女性舞踊家さんたちによる新造の踊りを褒める場面で、「見事、見事、名は何と申す」「まり草(花柳まり草さん)にございます」というやり取りがあって、ちょっと驚いた。(今まではなかった)。これも、千穐楽のサプライズ。

クライマックスの獅童さんの頼光の呼びかけで、客席一面が白いペンライトの光で埋め尽くされている光景は、本当に綺麗だった。これぞ、超歌舞伎らしい演出。

大いに盛り上がって本編が終了し、エンドロールが映されて、そして、カーテンコールとなった。獅童さんが花道のすっぽんから飛び出して本舞台に移動すると、観客の煽りは國矢さんにまかせて、上手舞台袖へ消えていった。これは、期待してしまう。

これまでなら、カーテンコール後半で写真撮影可能だったのだが、その掛け声もなく定式幕が閉まり、ミクさんのごあいさつが客席に流れた。程なく、獅童さんの「お前ら、まだまだやれるか」の呼びかけに、客席は割れんばかりの拍手で応え(声を出せないのがつらい)、「千本桜」が流れてきた。

観客は皆、この時を待っていた。

幕が開くと、「今昔饗宴千本桜」の忠信の姿で、両手にペンライトを持った獅童さんが舞台中央に立っている。この後はお祭り騒ぎ、曲に合わせて桜色のペンライトが振られている。舞台そして花道の役者さんたちが蜘蛛の糸を放つ。舞台を見ると、南座のマスコットキャラクターのみなみーなが登場し、左右の2階席では南座の法被を着た南座スタッフもペンライトを振っている。出演者、関係者、観客が一体となった時間・空間だった。

金色の紙吹雪が舞い、一旦幕が閉まったが、これだけで終わるはずがない。

再び幕が開き、出演者全員、そして黒衣の中村獅一さんと市川笑猿さんが並んでいる。獅童さんが、リミテッドのリミテッドを作らないと、やら、千穐楽はお客様が入るしやっていて楽しい、千穐楽の主役は國矢とじゃんけんで決めよう、やら提案する。最後に、マスクを着用していた出演者と黒衣の皆さんに、一瞬マスクを取るよう指示して、観客に顔をみてもらうようにした。

再び幕が閉まったのは、予定終演時刻をはるかに過ぎた、午後7時前だった。

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