超歌舞伎 夏祭版 今昔饗宴千本桜

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ニコニコネット超会議2020夏最終日の16日19時から、超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜」が無観客・オンラインで無料公開された。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年6月に予定されていた、南座での公演が中止となって残念に思っていただけに、嬉しい企画だった。

超会議での上演は2016年、2019年に続き3回目となる「今昔饗宴千本桜」だが、今回は「夏祭版」と銘打ち、配役も当日見てのお楽しみというスペシャルなもの。昨年の今頃は南座で盛り上がっていたことを思い出しながら、南座で買ったペンライト片手に開演時間を待った。画面は、既に弾幕が次から次へと流れている。

会場の東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)の客席には、ニコニコテレビちゃんのぬいぐるみが座席を空けて置かれていた。舞台の定式幕が開くと、舞台には裃姿の中村獅童さん。口上を述べた後、初音ミクさんがせり上がって登場し、同じく口上を述べる。そして、獅童さんが「1階席、準備はいいですか!」と無観客の各階客席に向かって煽る。この煽りも、超歌舞伎ならではの演出。さすがに、屋号とペンライトの使い方の案内はなかった。

オープニングは、曲のアレンジが南座の時と変わったように思った。そして、中村蝶紫さん演じる初音の前が登場する。付き従うのは、花びら屋の女性舞踊家さんたち!昨年の南座では、花びら屋さんたちは獅童さんとミクさんの宙乗り直前に登場して、ペンライトを振ったり、さらしを振ったりしていたけれど、今回は踊りを披露。超歌舞伎は初音ミクさんをはじめ、女性も活躍する歌舞伎でもある。

ミクさん演じる美玖姫と、獅童さん演じる白狐の出会いは、南座でも見た映像を使った演出。そして、青龍の精が登場する。あらら、今回は獅童さんが青龍の役。(ということは、忠信は國矢さんか)。配役は当日のお楽しみということだったので、獅童さんが青龍を勤めるのは予想はできた。しかし、この後、忠信は良い意味で裏切られた。

美玖姫が青龍の攻撃を受けてあわやというところで、忠信が登場。え、澤村國矢さんの声ではないような。このご時世に合わせ、元三大師のお札を貼った大きな矢を抱えた忠信は、中村獅一さんだった。そして、もう一人、澤村國矢さんの忠信も登場!ええ、二人忠信!これはサプライズだ。分身登場ということで、弾幕にはプラナリ屋(プラナリアから来たものと思われる)の屋号まで飛び出す。歌舞伎では、二人藤娘や京鹿子娘五人道成寺といった、主役が複数人の演出もあるので、二人忠信という演出は納得のもの。

忠信は人間の分身、青龍は映像の分身で対決する。デジタルとアナログの融合。ウロコ屋さんたちやキツネ屋さんも登場して、大立ち回りになる。クライマックスの「あまたの人の言の葉を」では、通常ならピンク色のペンライトで客席が埋め尽くされるのだが、それがないのは残念だった。と、客席に作られたサブステージに忠信の拵えをした獅童さんがいるではないか。何と、三人忠信!獅一さんも、國矢さんもがんばっているけれど、最後は獅童さんが煽って決めないと、超歌舞伎らしくない。(青龍から忠信への早替わり、裏方は大変だっただろうな)。

「千本桜」が流れ、もの凄い数のコメントが画面を覆う。弾幕に応じるかのように、獅童忠信は南座の時と同じように客席を回り、座席に上がって煽る、煽る。画面の向こう側の観客への思いからか、顔面アップになると投げキッスも飛び出した。大いに盛り上がって、一旦幕が閉まる。

カーテンコールにて、獅童さんは、忠信に國矢さん、獅一さんを起用した理由を語った。國矢さんは昨年南座のリミテッドバージョンでの経験があるものの、獅一さんは初の主役。通常の公演では主役になれない二人に主役を任せた、獅童さんの心意気が素晴らしい。國矢さんも、獅一さんも涙ぐんでいた。

ネットの情報によると、この「超歌舞伎」は21万人が観て、100万ポイント以上のギフトが集まったとのこと。初音ミクさん効果、無料公開ということもあるとは思うけれど、日本全国、いや世界中で21万人が「超歌舞伎」を観て感動を分かち合えたというのは凄いことだ。

獅童さんが言っていたが、南座でのリベンジを期待したい。

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