歌舞伎オンデマンドで「義経千本桜 川連法眼館(通称:四の切)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は7:20-8:35 1時間15分で、配信の方は1時間16分だった。
配役は、佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐に尾上松緑さん、源義経に中村時蔵さん、駿河次郎に坂東亀蔵さん、亀井六郎に尾上左近さん、飛鳥に市川門之助さん、川連法眼に中村東蔵さん、静御前に中村魁春さん。
幕開きは、門之助さんの飛鳥が館にいて、東蔵さんの川連法眼が館に戻ってくるところから。東蔵さんは今年で85歳、長袴での動きが大変そうに見えたし、一部台詞にプロンプついていた。今後、川連法眼を勤められるベテランは誰がいるのだろう?門之助さんの飛鳥は安定の演技だった。時蔵さんの義経は気品ある姿。
松緑さんの本物の佐藤忠信は、立派な武士の姿で貫禄があった。駿河次郎の亀蔵さんはきりりとしていて、亀井六郎の左近さんは力強く溌剌としていた。左近さんは今後経験を積み重ねて、いつかは佐藤忠信を演じるのだろう。魁春さんの静御前は凛としていて、華憐だった。
腰元たちが雪洞を手に見回ったあと、狐忠信の出はいつもの通り。松緑さんは、当然、音羽屋型。床下に潜り、狐の姿になって上手の一間から飛び出す。狐となった松緑さんは、小顔ということもあってか、キツネよりはシーズーかマルチーズに見えた。(飼い犬の影響?)猿之助さんのスピーディーな動きを見慣れていたためか、松緑さんの狐忠信は動きが慎重だったように思えた。終盤、義経が鼓を狐忠信に渡す場面は、澤瀉屋のように義経が直接手渡すのではなく静御前を介して渡された。化かされ法師は3人。最後は、松緑さんが鼓片手に上手の桜に登って満足げな笑みを浮かべて幕となった。
「四の切」はいつ見ても楽しい。
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