中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演(浅草寺)

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9月27日19時から生配信された「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」を観た。

演目は、一、オープニング映像、二、連獅子(狂言師右近後に親獅子の精:中村勘九郎、狂言師左近後に仔獅子の精:中村七之助、浄土僧遍念:中村いてう、法華僧蓮念:中村鶴松)、三、映像、四、芸談。

今回は浅草寺五重塔特設舞台から無観客での生配信で、チケット代は3500円。7月に浅草公会堂で行われた公演より500円高いが、特設舞台設営費などがかかるから、許容できる範囲だと思う。これまで動画配信はチケット購入時にシステム利用料を徴収していなかったe+ の Streaming+ を利用していたけれど、今回は e+ もシステム利用料220円を取るのに決済前に気が付いて、ものは試しとぴあの PIA LIVE STREAM で視聴券を購入した。

Streaming+ がメールで視聴 url を連絡するのに対し、PIA LILVE STREAM は Cloak で視聴 url を引き取る(要はクリックしてそのページを表示させる。ブックマーク可)。Streaming+ は都度ログインが必要だけど、PIA LIVE STREAM は一旦 url を引き取ると、ログインなしで視聴可能だった。

開演時刻になり、長唄(皆さん、透明マウスシールド着用)が始まると、いきなり画面が黒くなって動かない。再読み込みを何度かして無事に繋がったのは、五色の揚幕から狂言師右近・左近が登場するところだった。Streaming+ では動画中断は経験しなかったので、PIA LIVE STREAM の回線が弱かったのか、たまたまだったのか。この公演は一週間アーカイブで視聴可能なので良いけれど、1度だけの動画配信で、e+ もぴあも扱うなら、e+ の Streaming+ を選ぶ方が無難かもしれない。

登場してきた勘九郎さんの狂言師右近の姿が、父親の十八世中村勘三郎さんにそっくりなのに驚いた。七之助さんの狂言師左近・仔獅子は、衣装を着て演じるのは10年振りとのこと。(2010年4月歌舞伎座、2010年11月御園座)。2018年の元日に NHK E テレで放送された番組で、素踊り短縮バージョンの連獅子を兄弟が勤めていたけれど、中村屋兄弟の連獅子はそれ以来かな。

勘九郎さん、七之助さんの切れのある素晴らしい踊り、そして、浅草寺の五重塔を見上げるアングルや、配信だから可能な仔獅子・五重塔・親獅子のマルチ画面に感動していたら、あらら、雨が降ってきた。

鶴松さんの僧蓮念、いてうさんによる遍念による宗論は、コミカルで面白かった。が、雨で楽器や衣装が痛まないか、鏡面のようになった舞台で演者が滑らないか、心配しながら観ていた。

宗論が終わり、三味線の大薩摩が奏でられる。静寂の中、小鼓と太鼓の音、そして笛の音が響き渡り、揚幕から親獅子仔獅子が登場。特設舞台なので花道はないものの、仔獅子は後ずさりで一旦五色の揚幕の奥に引っ込み、再び登場する。雨を物ともせず、親獅子と仔獅子の気迫に溢れた踊り。雨で鏡のようになった舞台に衣裳が写って美しい。そして、息の合った圧巻の毛振り。貴重なものを観た。

連獅子の後は「中村屋ヒストリー・浅草編」と題して、1986年10月から2020年7月までの、お練りや平成中村座など浅草での貴重な映像が流れた。(約22分)。ここでの主役は、もちろん十八世中村勘三郎さん。

その後の芸談で、お着替えして登場した七之助さんは何と金髪(ウィッグ)。7月の動画配信でのリクエストに答えたもの。こういったファンサービスが、中村屋の良いところ。七之助さん曰く、今回の仔獅子は魂をぶつけようと思った。父に教わった火の玉みたいに踊れということ体現しようとがんばった、とのこと。確かに、気迫に満ちたもの凄い連獅子だった。

芸談の後半では、鶴松さん、いてうさんも登場。二人とも宗論は初めて演じたとのこと。彼らにとっても貴重な経験になったことだろう。いてうさんが勘九郎さんと同い年というのは知らなかった。

いろいろな意味で貴重な連獅子だった。

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