Amazon Prime Video で独占レンタル配信となっている、図夢歌舞伎「弥次喜多」を観た。
のようなドタバタ喜劇かと思いきや、現代社会で人間がどう生きるかを問いかける、重い作品だった。
配役は、弥次郎兵衛に松本幸四郎さん、喜多八に市川猿之助さん、伊月梵太郎に市川染五郎さん、五代政之助に市川團子さん、時枝浅之助に市川中車さん、葉刈五郎に市川猿弥さん、彼方岸子に市川笑三郎さん、鳩に市川寿猿さん。
動画を再生すると、CGの定式幕、そして片しゃぎりの演奏が始まった。定式幕が上へあがると、緋毛氈の上に口上人形が鎮座している。口上人形が図夢歌舞伎や歌舞伎の「弥次喜多」、今回の「弥次喜多」までのあらすじについて簡単に解説。こういった前説明があると、図夢歌舞伎や「弥次喜多]に馴染みがない視聴者にも分かりやすい。口上人形の声は市川弘太郎さんが担当している。
続いて、松竹のオープニング。Amazon Prime Video 独占配信だけど、図夢歌舞伎「弥次喜多」は紛れもなく松竹の映画だ。そして、「終わりと始まり」、「更新」というキーワードを含んだ英語と日本語の文が映し出されて、物語が始まる。
演技力確かな役者さんたちが出演しているだけあって、時間を忘れて見入ってしまあった。中車さんは、さすがに画面での存在感が大きい(そして、まばたきが少ない)。登場している時間は少ないものの、笑三郎さん演じる彼方岸子は凄みがあって怖かった。寿猿さんが鳩ということで、どういった役なのか不思議だったが、鳩時計の鳩だったのね。鳩の着ぐるみを着て、入れ歯を飛ばしていた御年90歳の寿猿さん、凄いわ。
シリアスな内容なのだが、「弥次喜多」らしい笑いの要素も忘れていない。親子が共演する機会の多い歌舞伎の鉄板ネタ「親の顔が見てみたい」が序盤から炸裂。ドラマ「半沢直樹」からの「土下座」や猿之助さんの「詫びろ」、中車さんの「おしまい、DEATH」も盛り込まれている。さらに、幸四郎さんと中車さんのじゃんけん対決が2回も!(演技なのか素なのか…)。また、さりげなく
を小道具として使っていた。
SPICE に図夢歌舞伎「弥次喜多」に関する記事がいくつか出ていた。
短時間で、これだけのクオリティのものを創り上げたことに驚く。
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