演目・上演時間
一、超歌舞伎のみかた/萬代春歌舞伎踊(つきせぬはるかぶきおどり)
上演時間 11:00-11:40 / 3:30-4:10 40分
超歌舞伎のみかた 澤村國矢 中村蝶紫
萬代春歌舞伎踊配役 真柴秀康:中村獅童 出雲のお国:初音ミク 奴國平:澤村國矢 女奴お蝶:中村蝶紫
二、永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)
配役 金輪五郎今国:中村獅童 苧環姫:初音ミク 金輪小五郎陽国:小川陽喜(9月8日~11日) 蘇我入鹿:澤村國矢 定高:中村蝶紫
上演時間 12:10-1:55 / 4:40-6:25 1時間45分
観劇記録
今月は春秋座と松竹座の公演を観に行ったこともあり、超歌舞伎は小川陽喜さんが出演した11日午前の部と、千穐楽25日午後の部の本公演2回のみ。リミテッドは行けなかった。
2022年の超歌舞伎は、福岡・博多座、名古屋・御園座、東京・新橋演舞場と回って、最後に京都・南座での開催。25日の大千穐楽が盛り上がらないはずがない。また、25日午後の部はニコニコ動画生配信ということもあって、カメラが入っていた。
客席には、超歌舞伎の法被を着た熱心なファンもいて、早くからペンライトを振る人も多い。
「超歌舞伎のみかた」は、歌舞伎になじみがない人に向けて、澤村國矢さんと中村蝶紫さんが、せり・花道・黒御簾などの説明(超歌舞伎では回り舞台を使わないので、回り舞台の説明はなかった)、附け打ちさんが登場しての附け、大太鼓による雨や雪の音の実演などがあった。そして、博多座のスタッフが作ったペンライトの使い方動画を見せる。
「萬代春歌舞伎踊」は、前半は初音ミクさんの二枚扇を使った艶やかな踊り、後半は鈴を手にした中村獅童さんによる三番叟の「鈴の段」の踊りが見せ場。超歌舞伎ならではの女性舞踊家さんたちが彩りを添える。
休憩終了6分前から、舞台のスクリーンで過去の「超歌舞伎」の映像が映し出された。それが終わると、いよいよ幕開き。
定式幕が開くと、裃姿の獅童さんが平伏している。昨年の千穐楽では獅童さんがいろいろと思いを話した。しかし、今年は生配信中で、また、「超歌舞伎のみかた」が延びたこともあってか、前方の座席に座っていた台湾の熱心な超歌舞伎ファンのエピソードや、ペンライトを一番多く持っている観客を探す程度。また、クライマックスでは、ペンライトに加え、ペンライトを持っていない観客もスマホのライトを点灯することで、超歌舞伎への参加を呼びかけた。大向う付きペンライト4000円は、やはり高い。学生さんたちの貸切も多かったし、スマホのライトでの参加は良い考えだ。で、話が長くなることなく本編へ。
「永遠花誉功」は、「妹背山女庭訓」などの入鹿討伐と、「初音ミクの消失」という曲から着想を得て作られた新作。初音ミクさんの苧環姫や蝶紫さんの定高は「妹背山」だし、桃の節句も「妹背山」。獅童さんの金輪五郎今國が酒を飲む場面は「勧進帳」を彷彿させるし、一度鳥屋へ引っ込んだ金輪五郎が衣裳を変えて出てくる場面は「暫」を思い起こさせる。超歌舞伎は、古典の歌舞伎作品の要素が散りばめられているので、元を知っていると一層楽しい。
苧環姫が入鹿の元へお輿入れする場面で、ニコニコ動画の隈をした宮越玄蕃の片岡千次郎さんが、マイク片手に祇園小唄を歌いだす。また、腰元役の女流舞踊家さんたちが、今はやりのきつねダンスを踊る。流行のものを取り入れるのも、歌舞伎らしい演出。
そして、電話屋の本領発揮、金輪五郎の獅童さんと入鹿の國矢さんの相撲対決や、ミクさんと國矢さんのバトルは迫力あるものだった。白狐の眷属が現れ、金輪五郎に藤原鎌足の鎌を託す。(小川陽喜さん出演回は、金輪小五郎陽国だった。非常にかわいらしかったが、しっかり演技していて驚いた。今後の成長が楽しみ)。客席の緑のペンライトやスマホライトを力に、入鹿に勝った金輪五郎は花道を六方で引っ込んだ。
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