歌舞伎オンデマンドで「風の谷のナウシカ 上の巻 -白き魔女の戦記ー」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 6:30-7:52、8:22-9:08 合計2時間8分だったが、配信は2時間10分だった。
配役は、クシャナに尾上菊之助さん、ナウシカに中村米吉さん、アスベル/口上に尾上右近さん、ケチャに中村莟玉さん、幼き王蟲の精に尾上丑之助さん、幼きナウシカに寺嶋知世さん、ラステルに上村吉太朗さん、クロトワに中村吉之丞さん、ミトに市村橘太郎さん、トルメキアの王妃に上村吉弥さん、ジルに河原崎権十郎さん、城ババに市村萬次郎さん、チャルカに中村錦之助さん、ユパに坂東彌十郎さん、マニ族僧正に中村又五郎さん、そして、声の出演で、王蟲に市川中車さん。
2019年の初演は新橋演舞場での上演だったが、今回は歌舞伎座での上演。そして、前回が午前の部・午後の部の通しで物語の全てを上演したけれど、今回は上の巻として、皇女クシャナを主役にした「白き魔女の戦記」の上演となった。
序幕そして大詰という構成で、クシャナの物語は主に大詰で展開されている。物語上、序幕はナウシカの出番が多い。米吉さん演じるナウシカは本当に可愛らしかった。最後のメーヴェでの宙乗り、米吉さんにとっては貴重な経験だろう。(歌舞伎座での宙乗りは、そうそうあるものではない)。
今回は、幼きナウシカとして菊之助さんの長女・知世さんが初舞台を踏んだ。幼いながらも一生懸命演じている姿が微笑ましい。また、兄の丑之助さんが幼き王蟲の精で見事な踊りを披露していた。
菊之助さんのクシャナは、凛々しく中性的だった。冷淡な印象のクシャナだが、大詰での王妃の物狂いと母娘の髪漉きの場面では、クシャナの悲しさがよく現れていた。
前回米吉さんが演じたケチャを、今回莟玉さんが勤めた。が、いつもは可愛らしい莟玉さんが、今回は今一つの感じがしたのは、衣装や化粧のせいなのだろうか。
ラステルの吉太朗さん、短時間だけど、重要な役どころで経験を積んでいる。(前回のラステルは中村鶴松さん)。吉太朗さんの師匠・吉弥さんもトルメキアの王妃での出演。(吉弥さんは7月も12月も歌舞伎座に出演していたので、2022年は関西の劇場で拝見できなかったのが残念だった)。
2022年7月4日初演29日千穐楽の予定だったこの公演は、新型コロナウイルス感染症の影響のため、7月19日・21日~29日の公演が休演となった。月半ばでの収録だったのだろうが、映像が残っていたのは良かった。公演から半年近く経っての配信は、諸事情があったのだろう。
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