歌舞伎オンデマンド 祇園祭礼信仰記 金閣寺

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歌舞伎オンデマンドで「祇園祭礼信仰記 金閣寺」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、11:00-12:37 1時間37分で、配信は1時間36分だった。

配役は、松永大膳に中村歌六さん、雪姫に中村米吉さん(2~6日、13~18日)/中村児太郎さん(7~12日、20~25日)、狩野之介直信に尾上菊之助さん、十河軍平実は佐藤正清に中村歌昇さん、松永鬼藤太に中村種之助さん、慶寿院尼に中村福助さん、此下東吉後に真柴久吉に中村勘九郎さん。

「金閣寺」は三姫と呼ばれる女方の大役の一つである雪姫が中心となる演目で、今回は初役で勤める米吉さんと、2018年9月以来二回目となる児太郎さんとのダブルキャスト。また、松永大膳を初役で勤める歌六さん(中村吉右衛門さんに大膳を習った中村又五郎さんに話を聞いたとのこと)と雪姫の米吉さんとの親子共演が珍しい配役となった。「歌舞伎夜話」を編集した特別インタビューにて米吉さんが言っていたように、雪姫役の父親はだいたい雪姫を演じている。大膳と雪姫が親子の組み合わせは、2019年12月南座での中村鴈治郎さんが大膳で、中村壱太郎さんが雪姫以来か。

これまたインタビューで米吉さんが言っていたが、主要な出演者は勘九郎さんから見ると全員親戚となる。なお、勘九郎さんの母方が福助さんと児太郎さん、勘九郎さんの父方の祖母(六代目菊五郎の娘)の親戚が菊之助さん、父方の祖父(十七代目中村勘三郎)の親戚が歌六さん、米吉さん、歌昇さん、種之助さん。

児太郎さんの成駒屋では雪姫が縛られる桜の木が上手にある(五代目歌右衛門のやり方)が、今回は米吉さんも児太郎さんも下手の桜の木(文楽はこちら)での上演となった。児太郎さんは前回父親の福助さんに習って細かいところは坂東玉三郎さんに習ったそうで、今回、米吉さんは菊之助さんに習い(菊之助さんも玉三郎さんに習った)、玉三郎さんの指導を受けたとのこと。

今回の配信では、児太郎さんと米吉さんの雪姫の違いに注意しながら鑑賞した。

衣装は同じものがなかったとのことで、米吉さんが地が濃い目の朱鷺色、児太郎さんが薄目の朱鷺色。最終的には玉三郎さんが教えているので同じようなものになりそうなのだが、やはり役者さんの個性が出てくる。特に雪姫の見せ場である「爪先鼠」の場面を見比べてみたが、米吉さんが可憐だけど芯が強い現代的な雰囲気だったのに対し、児太郎さんは素朴で大らかさを感じるものだった。(体格差も影響しているのかもしれない)。

雪姫の引っ込み、児太郎さんは花道で倶利伽羅丸の刀を鏡にして身なりを直したが(成駒屋の型)、米吉さんは刀を抱えたまま花道を去っていった。もう一度確認しようと(配信は繰り返し見ることができるのが良い)倶利伽羅丸を渡されたところから見ると、児太郎さんは刀の柄を自分の体に向けて引いて刀身を出し、米吉さんは普通の抜刀のようにして刀身を出していたのに気が付いた。お家ごとの型の違い、いろいろあるのだろう。(だけど、見比べていくには「金閣寺」はちょっと長い)。

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