歌舞伎オンデマンドで「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」を観た。歌舞伎美人での上演時間は3:28-4:31 1時間3分で、配信の方も同じく1時間3分だった。
配役は、大星由良之助に中村吉右衛門さん、遊女おかるに中村雀右衛門さん、鷺坂伴内に中村吉之丞さん、斧九太夫に嵐橘三郎さん、寺岡平右衛門に中村梅玉さん。
通常なら1時間40分くらいの上演時間となる七段目だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のための時間短縮で、前半の40分をばっさりと切っていた。由良之助が仲居や幇間たちを引き連れて遊びに興じる姿がなく、由良之助の様子を見に来た3人の浪士や、顔世御前の密書を持ってきた力弥も登場しない。九太夫が由良之助に酒をすすめてタコを食べさせる場面も省略。幕が開くと、座敷には仲居たちが座っていて、祇園町の話などで芝居の世界へ。仲居たちと入れ替わりに九太夫と伴内が登場し、通常の流れとなった。
もともと七段目は、由良之助よりもおかる平右衛門の兄妹が主役的な展開だけど、前半が上演されないと、一層おかるが主役の物語になっていた。ということで、雀右衛門さんの見せ場が続く。梅玉さんの平右衛門は妹思いの爽やかなお兄さんだった。出番は少なかったものの、吉右衛門さんの由良之助は、亡き主君への思いがひしひしと伝わるものだっただけに、やはり、九太夫にタコを食べさせられる場面が省略されていたのは残念だった。
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