歌舞伎オンデマンド 壽浅草柱建

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2021年1月から歌舞伎座は3部制になり、各部2演目の上演となった。歌舞伎オンデマンドの料金体系はどうなるかとサイトを見ると、国立文楽劇場の文楽のように各部単位での動画配信レンタルではなく、30分の演目も1時間半の演目も均一3300円だった。さすがに、30分で3300円は割高に思える。

1月に上演された演目のうち、「悪太郎」と「夕霧名残の正月」は2020年に関西で上演されたのを観ているし、「車引」(の後半)と「らくだ」は1月2日に NHK Eテレで放送されたのを観ているから、今回の配信はパス。「壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)」もやめようかと思ったが、演劇界の表紙を尾上松也さんが飾ったので、

歌舞伎オンデマンドで観ることにした。歌舞伎美人での上演時間は11:00-11:32 32分で、配信の方は33分だった。

配役は、曽我五郎時政に尾上松也さん、曽我十郎祐成に中村隼人さん、小林朝比奈に坂東巳之助さん、大磯の虎に中村米吉さん、喜瀬川亀鶴に中村鶴松さん、茶道珍斎に中村種之助さん、小林妹舞鶴に坂東新悟さん、工藤左衛門祐経に中村歌昇さん。化粧坂少将を中村莟玉さんが勤めていたが、残念ながら映像収録時は体調不良のため休演していた。

尾上松也さんを筆頭に若手たちは、毎年1月に浅草公会堂で行われている「新春浅草歌舞伎」に出演していたけれど、2021年は新型コロナウイルス感染症のため、2020年10月の段階で中止が発表された。代わりに、2021年1月歌舞伎座の一幕を若手たちが担ったのがこの「壽浅草柱建」で、明治23年(1890年)に「曽我物」の舞踊として初演された「新柱建」を再構成したものとのこと。

定式幕が開き、舞台には浅葱幕と上手には霞幕。浅葱幕の前には4人の役者さんたち。あら、市川猿四郎さんに澤村國矢さんだ。動画を一時停止して(好きな時に動画を止めることができるのが、配信の良いところ)、歌舞伎公演データベースで出演者を確認してみると、近江小藤太成家に市川猿四郎さん、八幡三郎行氏に片岡仁三郎さん、近江の奴國平に澤村國矢さん、八幡の奴橋平に中村橋吾さんだった。猿四郎さんと仁三郎さんが「柱建」と「幣串」について説明。続いて、橋吾さんの「歌舞伎体操」や國矢さんの「超歌舞伎」が入った台詞で客席が盛り上がる。中堅の役者さんたちの出番を増やし、かつ、「悪太郎」出演の役者さんたちのサポート役を兼ねていたのかもしれない。

先の4人が引っ込み、浅葱幕が振り落とされて、いよいよ若手たちが登場する。舞台に勢揃いした出演者たちが、渡り台詞でご挨拶。柱建の儀を終えると直会になり、先ずは工藤祐経が杯を空けて、余興が始まった。ということで、入れ替わり立ち代わり舞踊を披露。小林朝比奈と妹舞鶴が同時に踊るのを観たのは初めてだ。(この先もあるのだろうか)。通常の「対面」なら、工藤祐経が狩場の切手を五郎十郎兄弟に与えるのだが、今回は代わりに金龍山浅草寺の疾病収束のお札。時代を取り入れる、歌舞伎らしさが現れている。

最後に、大道具が変わって宝船になり、皆が形を決めて終わった。お正月らしい、華やかな舞台だった。

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