歌舞伎オンデマンド 色彩間刈豆 かさね

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歌舞伎オンデマンドで「色彩間刈豆(いろもようちょっとかりまめ) かさね」を観た。歌舞伎美人での上演時間は1:40-2:30 50分だったが、配信の方は53分だった。

配役は、百姓与右衛門実は久保田金五郎に松本幸四郎さん、捕手沢田に中村隼人さん、捕手飯沼に中村鷹之助さん、腰元かさねに市川猿之助さん。

「かさね」はその舞台が木下川(きねがわ)ということもあるのか、関西での上演が少なく、私が実際の舞台を観たのは2015年5月南座での歌舞伎鑑賞教室(かさねに上村吉弥さん、与右衛門に中村松江さん)のみ。髑髏に鎌がささっていて、何か怖い話だったな、という微かな記憶を抱きつつ配信を観た。

幕が開くと、上手から捕手の隼人さん、下手から捕手の鷹之助さんが登場。彼らの会話から、行方を追っている久保田金五郎は、菊の夫・助を殺し、お家の重宝・撫子の茶入れを盗んで、与右衛門と名を変えて逃亡しているということが分かる。後から振り返ると、ここで重要なポイントを説明していた。

捕手が引っ込み、舞台上手山台の清元連中が唄い始める。皆さん、黒い覆面を着用。尾上右近さんが清元栄寿太夫として出演しているので、アップが映し出された。

花道から与右衛門の幸四郎さん、かさねの猿之助さんが登場する。与右衛門とかさねは心中を約束していたが、与右衛門は逃げ出し、木下川の堤でようやくかさねが追いついたところ。前半は猿之助さんのくどきが見どころ。そうこうしているうちに、川面に鎌の刺さった髑髏が流れてくる。ここからホラーな展開に。与右衛門が髑髏に刺さった鎌を抜くと、かさねの顔が醜い姿になり、足が不自由になる。与右衛門はかさねの母・菊と密通し、かさねの父・助を殺していた。

そこへ、捕手の二人がやってきて、与右衛門を捉えようとする。捕手二人は黒いマスク着用。江戸時代の話にマスク!?、と野暮なことは言わない。

捕手が去った後、与右衛門はかさねを殺そうと鎌で切りかかる。凄惨な殺しの場面を、幸四郎さんと猿之助さんの息の合った舞踊で見せる。遂にかさねは殺されてしまうが、今度はかさねの怨念が与右衛門を翻弄する…。花道から本舞台に引き戻される(連理引き)幸四郎さんの演技が見どころ。また、瀕死の状態から怨霊と化したかさねは、猿之助さんの本領発揮の場面でもある。

50分強の間に、男女の色恋があり、男女の怨念があり、親子の因果がありと、凄まじく様々な人間の業を詰め込んだ物語だった。「色彩間刈豆」の作者を調べてみると、「東海道四谷怪談」などを書いた四代目鶴屋南北。なるほど、納得だ。

なお、清元國恵太夫さんがブログで解説と歌詞の掲載をしていて、非常に参考になった。

清元 かさね 歌詞&プチ解説
九月大歌舞伎の第二部「かさね」についてプチ解説と歌詞を載せました!こちらを観劇前にご覧になりますと、より一層舞台が面白いと思います(^O^)

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