歌舞伎オンデマンドで「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、1:42-3:40 1時間58分で、配信は1時52分だった。
配役は、佐野次郎左衛門に中村勘九郎さん、兵庫屋八ツ橋に中村七之助さん、兵庫屋九重に中村児太郎さん、下男治六に中村橋之助さん、兵庫屋七越に中村芝のぶさん、兵庫屋初菊に中村鶴松さん、遣手お辰に中村歌女之丞さん、女中お咲に中村梅花さん、若い者与助に中村吉之丞さん、絹商人丈助に大谷桂三さん、絹商人丹兵衛に片岡亀蔵さん、釣鐘権八に尾上松緑さん、立花屋女房おきつに中村時蔵さん、立花屋長兵衛に中村歌六さん、繁山栄之丞に片岡仁左衛門さん。十八世中村勘三郎さんの十三回忌追善にふさわしい、超豪華な配役によるものだった。
私が初めて南座の顔見世を観に行ったのが2000年のこと。夜の部最後の演目が「籠釣瓶花街酔醒」だった。当時勘九郎だった勘三郎さんが佐野次郎左衛門、坂東玉三郎さんが八ツ橋、片岡仁左衛門さんが繁山栄之丞という、顔見世らしい豪華な配役だった。(なお、2000年以降関西の劇場では上演されていないので、実際の舞台は長らく観ていない)。
花道から登場した佐野次郎左衛門の勘九郎さんが、在りし日の勘三郎さんの姿にそっくりだったのに驚いた。親子だから似ていて何ら不思議はないのだが、勘九郎さんは現在42歳、私が「籠釣瓶」で観た勘三郎さんが45歳とほぼ変わらない年齢で演じているので、一層、似ていると感じたのかもしれない。
八ツ橋の七之助さんは隙のない凛とした美しさ。治六の橋之助さんは素朴で忠実な下男を上手く演じていた。権八の松緑さんは腹黒さを滲みだしている。栄之丞の仁左衛門さんは80歳という年齢を感じさせない格好良さ。九重の児太郎さんは身体は大きいけれど心優しい花魁を演じている。いつの日か八ツ橋を演じるのだろう。
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