今年は劇場での超歌舞伎の公演がないということもあり、幕張メッセで上演された超歌舞伎の配信を観た。当初は、16時からの回だけのつもりだったが、いろいろ都合がついたので、13時からのリミテッド・バージョンと続けて観ることにした。
「御伽草紙戀姿絵」は2021年4月に上演されているけれど、その時は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、観客数の制限、声出し禁止といった制約の多い中でのものだった。今回は大向う解禁とのこと。配信を観ていると、やはり大向うがあると盛り上がり方が凄い。2021年、2022年は大向う付きペンライトなるものが販売されたけれど、人間の声援にはかなわない。
2021年版とくらべ、小川陽喜さんの坂田怪童丸金時(リミテッド・バージョンでは獅童さん)、中村獅一さんの奴萬平という役が増え、特に立ち廻りの演出に手が加えられていた。
リミテッド・バージョン、幕張での上演は初めてとのこと。2021年南座、(演目は違うけれど)2022年4都市公演でリミテッド・バージョンを経験しているだけあって、澤村國矢さんは堂々としたものだった。エンディングでの煽りも中村獅童さんばりに様になってきていた。
本公演は更なる盛り上がり。入場者が多く、16時から10分押しでの開演。リミテッドで國矢さんはがんばっていたけれど、やはり獅童さんのパワーと煽りは違う。そして、陽喜さんが一生懸命演じていたのがかわいらしかった。
弾幕では、昨年から登場したジュニ屋(陽喜さん)、ちちお屋(獅童さん)に加え、婆屋(ばあや:中村蝶紫さん)ほかユニークなものが流れていた。柔軟な発想による新規の屋号は、見ていて楽しい。
本公演終了後、一旦幕が閉まってそれから獅童さんが登場し、長くなるからと観客を座らせて話始める。そこで、12月に歌舞伎座で超歌舞伎上演、というとんでもない発表があった。新橋演舞場でなくて、歌舞伎座!?
よくよく考えると、歌舞伎座新開場10周年=歌舞伎座タワー10周年=ドワンゴ本社歌舞伎座タワー移転10周年。ドワンゴが歌舞伎座タワーに入居したことで松竹とコラボレーションする話となって、超歌舞伎が生まれたから、歌舞伎座で上演するのは意味がある。
12月は南座で市川團十郎白猿襲名披露の顔見世。お江戸の役者さんが大挙して京都入り、するはず。となると、歌舞伎役者の出演者が少なく、学校団体の集客可能な超歌舞伎は松竹にとっても都合が良いわな。(NTT とドワンゴもスポンサーに付く)。
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