歌舞伎オンデマンドで「仮名手本忠臣蔵 十段目」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 2:40-3::23 43分、配信は45分だった。
配役は、天川屋義平に中村芝翫さん、大星由良助に松本幸四郎さん、竹森喜多八に坂東亀蔵さん、千崎弥五郎に中村福之助さん、矢間重太郎に中村歌之助さん、医者太田了竹に市村橘太郎さん、丁稚伊吾に市川男寅さん、大鷲文吾に中村松江さん、義平女房おそのに片岡孝太郎さん。
「仮名手本忠臣蔵」は超人気演目だけど、「十段目」は歌舞伎でも文楽でもめったに上演されない。歌舞伎公演データベースで「十段目」を調べてみると、今回の公演を除いて、過去5回しか検索に上がってこなかった。それだけ、今回の上演は貴重なものだった。
「仮名手本忠臣蔵」は武士の世界の物語だが、「十段目」だけは商人の天川屋義平が主人公となる。義平は妻・おそのと離縁してまで大星由良助との秘密を守る、男気にあふれ肝の座った人物で、芝翫さんは豪快に演じていた。
義平と由良之助との男同士の約束を果たす姿とともに、不本意ながら離縁することになった義平とおそのとの夫婦愛も見せている。「仮名手本忠臣蔵」では多くの段で主要人物が死ぬ展開なのに、「十段目」は死者もなく、夫婦のよりも戻ってどちらかと言えばハッピーエンドとなっている。「十段目」はやはり異色の段だ。
コメント