歌舞伎オンデマンド 松竹梅湯島掛額 

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歌舞伎オンデマンドで「松竹梅湯島掛額」を観た。(無料のイヤホンガイド Web 講座が付いていた)。歌舞伎美人での上演時間は、5:30-7:05 1時間35分で、配信は1時間33分だった。

配役は、紅屋長兵衛に尾上菊五郎さん、八百屋お七に尾上右近さん、小姓吉三郎に中村隼人さん、丁稚長太に寺島眞秀さん、下女お杉に中村梅花さん、長沼六郎に片岡亀蔵さん、釜屋武兵衛に河原崎権十郎さん、月和上人に市川團藏さん、母おたけに中村魁春さん。

前半の吉祥院お土砂の場は、菊五郎さん演じる紅長(べんちょう)さんこと紅屋長兵衛が主役のコメディ。通常の幕開きと異なり、定式幕が上手から下手へ引かれる。

木曽義仲が江戸に攻めてくるので吉祥院へ避難する、そのお寺の本堂で目隠し鬼をして遊ぶ、左甚五郎の天女の彫り物をはがしてお七を隠す(ガムテープが残ったのはご愛敬)など、ぶっ飛んだ設定が歌舞伎らしいところ。

この演目は、お遊びも満載。機嫌を損ねたお七をなだめるところで、右近さんの好物ナイルレストランのカレーライスが台詞に出てくるのは、今回の配役限定なのだろう。菊五郎さんに続いて複数の役者さんが同じような台詞や動きをくり返す「おうむ」、長沼六郎の亀蔵さんが差し出された煙草盆の灰を顔にぶちまけるといったベタなものもある。長沼六郎たちがお七を探す場面で、東京オリンピック開会式のピクトグラムと同じようなパフォーマンスを見せるのは、今回限りか。同宿了念役の中村橋吾さん(山形県出身)が、米の銘柄尽くしの台詞の最後に、しっかりと山形の雪若丸を宣伝していた。

お土砂をかけられ皆がぐにゃぐにゃするところで、丁稚長太の眞秀さんが側転を披露していた。究極は、全く関係のない乱入者の登場。(この演目のお約束)。今回はののかちゃんをまねた(?)市村橘太郎さん演じる女の子(歌舞伎データベースには載っていない)と、劇場係員役の女優さんだった。

最後は、紅長さんが定式幕を下手から上手に引いて幕。

後半は四ツ木戸火の見櫓の場、いわゆる八百屋お七で、尾上右近さんがお七を人形振りで勤める。右近さんのお七は本当に綺麗で、吉三郎への恋に命を懸ける女性を情熱的に演じていた。

浄瑠璃「伊達娘恋緋鹿子」でのお七の人形振りは、右近さんと後見たちとの息もぴったりで、人形のような動きを見事に表現していた。人形振りが終わり、花道七三で人間のお七に戻り、鋭いまなざしで火の見櫓の太鼓を見た表情は印象深かった。

右近さんは清元との二刀流だけど、役者の方も女方と立役の両方でやっていくのだろうか。これからの活躍が楽しみだ。

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