三月花形歌舞伎 南座

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歌舞伎

演目・配役・上演時間

一、歌舞伎の魅力

配役 中村壱太郎(Bプロ偶数日)/ 尾上右近(Bプロ奇数日)/ 中村米吉(Aプロ偶数日)/ 中村橋之助(Aプロ奇数日)

上演時間 12:00-12:25 / 4:15-4:40 25分

二、義経千本桜 吉野山

配役 静御前:中村壱太郎(Aプロ)/ 中村米吉(Bプロ) 佐藤忠信実は源九郎狐:尾上右近(Aプロ)/ 中村橋之助(Bプロ)

上演時間 12:15-1:05 / 4:40-5:20 40分

三、義経千本桜 川連法眼館

配役 佐藤忠信実は源九郎狐:尾上右近(Aプロ)/ 中村橋之助(Bプロ) 源義経:中村橋之助(Aプロ偶数日)/ 中村米吉(Aプロ奇数日)/ 尾上右近(Bプロ偶数日)/ 中村壱太郎(Bプロ奇数日) 亀井六郎:中村福之助 駿河次郎:中村歌之助 静御前:中村壱太郎(Aプロ)/ 中村米吉(Bプロ) 

上演時間 1:25-2:40 / 5:40-6:55 1時間15分

観劇記録

AプロとBプロで源九郎狐と静御前の配役が変わり、また、偶数日と奇数日で「歌舞伎の魅力」担当者と「四の切」の源義経が変わるという、若手に経験を積ませるのを目的としたような、南座の三月花形歌舞伎が無事に千穐楽を迎えた。希望する席のチケットが取れたので、結局、AプロBプロ、奇数日偶数日、全ての組み合わせを観劇した。

桜一面の世界は舞台の上だけでなく、客席にも広がっていた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、使用しない座席は座面をおろせないように赤い布が巻かれていたのは昨年12月の顔見世と同じだったが、その赤い布に、ピンクの布で作られた桜の花や花びらが、一つ一つ丁寧に張り付けてあった。劇場全体で公演を盛り上げている。

「歌舞伎の魅力」は、とりわけ各々の個性が発揮された楽しいものだった。壱太郎さんは鳥居前一人芝居、右近さんは竹本と清元の比較、米吉さんは歴史の授業のような巧みな話、橋之助さんは見得の実演と四者四様。南座の公式キャラクター・みなみーなが SNS に投稿された質問を持ってきて、その日の担当者が質問に答えるコーナーでは、写真撮影が可能だった。

「吉野山」は、AプロとBプロでは衣装・演出が異なっていた。衣装については、Aプロの忠信は黒い着物に金の源氏車を散らしたもので、Bプロの忠信は茄子紺の着物。静御前の着物もAプロとBプロで異なっていたけれど、文様の正式名称を知らないので省略する。静御前の髪飾りはAプロが文楽を参考にしたものということを、壱太郎さんのツイッターだったかインタビュー記事だったかで見た。Bプロは歌舞伎のお姫様の吹輪だった。

演出は、まず、静御前の出から違っていた。Aプロは舞台上手側の山道から、Bプロは花道からの登場。そして、人形の狐を操っていた後見が、Aプロは裃を着用し顔出ししていたのに対し、Bプロでは黒衣姿だった。幕切れ忠信の引っ込みが、Aプロでは衣装が火炎宝珠の柄にぶっ返る澤瀉屋の型で、Bプロは通常の衣装が変わらないもの。個人的には、最後にぶっ返って狐六方で花道をかけていく澤瀉屋の方が好きなのだが、この後の「四の切」は、やはり澤瀉屋の宙乗りそして桜吹雪がセットでないと面白くない。

「四の切」は、AプロもBプロも音羽屋の型。幕が開き、片岡千壽さん演じる川連法眼妻飛鳥の髪にまず驚いた。通常なら川連法眼同様に飛鳥も白髪なのだが、今回は黒髪の若い飛鳥。今まで何度も「四の切」を観ているけれど、黒髪の飛鳥は初めて観た。中村橋吾さん演じる川連法眼は花道から登場。

日によって変わる源義経も、四者四様で新鮮だった。

みんな大好き源九郎狐。AプロBプロどちらも出演者が持てる力・技量を振り絞っての熱演は素晴らしかった。主役を勤める役者が30歳以下という若い座組で、今回の興行を成功させたことを自信にして、今後の更なる活躍を期待したい。

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