歌舞伎オンデマンドで「双蝶々曲輪日記 角力場」を観た。歌舞伎美人での上演時間は1:30-2:16 46分だったが、配信の方は47分だった。
配役は、濡髪長五郎に松本白鸚さんさん、藤屋吾妻に市川高麗蔵さん、茶亭金平に松本錦吾さん、山崎屋与五郎/放駒長吉に中村勘九郎さん。
「引窓」同様、昨年の10月に名古屋・御園座へ遠征して観劇しているので、ストーリーを知った上で配信を観ている。
が、いきなり、新型コロナウイルス感染拡大防止のための演出変更。本来なら人通りが多く、千穐楽結びの取り組みを見るために人々が小屋へ入ったり、勝負がついて木戸口から続々と観客が出てくるのだが、今回は幟や番付の紙はそのままに、人気の少ない裏木戸という設定だった。役者さんたちも、距離を取っての演技。また、金平に財布やら羽織やら与えた与五郎が、濡髪の場所着を金平と一緒に着て花道を引っ込む場面はなく、濡髪の弟子の団子山が場所着を持って後ろからついて行っていた。
演出変更はあったものの、白鸚さんの濡髪は、木戸口から登場しただけで圧倒的な存在感と貫禄が画面からも伝わってきた。「角力場」での濡髪は隈取があり、一層、迫力を感じた。
勘九郎さんは、血気盛んな長吉と、つっころばしの与五郎を見事に演じ分けていた。
いつになったら、通常の演出になるのだろう。
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