歌舞伎特選DVDコレクション94 京鹿子娘道成寺

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「歌舞伎特選DVDコレクション」94号は「京鹿子娘道成寺」で、令和元年(2019年)5月に歌舞伎座で行われた公演が収録されている。本編81分。音声ガイドが収録されている。

白拍子花子に尾上菊之助さん、所化に河原崎権十郎さん、所化に中村歌昇さん(1989年5月6日生まれ)、所化に尾上右近さん(1992年5月28日生まれ)、所化に中村米吉さん(1993年3月8日生まれ)、所化に大谷廣松さん(1993年7月21日生まれ)、所化に市川男寅さん(1995年12月27日生まれ)、所化に中村鷹之資さん(1999年4月11日生まれ)、所化に中村玉太郎さん(2000年10月22日生まれ)、所化に尾上左近さん(2006年1月20日生まれ)の配役。大御所の河原崎権十郎さんを含め、御曹司たちの所化は年齢順に並んでいる。

この演目は能の「道成寺」を歌舞伎に移した長唄の舞踊劇で、宝暦3年(1753年)に初演された。題に道成寺が入っているものの、僧の安珍に恋をした清姫が裏切られたために大蛇となり道成寺で安珍を鐘ごと焼き殺した物語を踊るのではなく、白拍子花子として登場し恋する娘を様々に踊り、最後に清姫の本性を見せるもの。

「京鹿子娘道成寺」は最後に「押戻(おしもどし)」(荒事の扮装をした男が、妖怪や怨霊を花道から本舞台へ押戻す)が付く場合もあるが、本品は「道行」から「鐘入り」までの収録となっている。

竹本による「道行」の詞章はマガジンに掲載されていないものの、長唄の歌詞は全て掲載されており、また、音声ガイドの解説もあるので、歌舞伎舞踊に慣れていなくても楽しめる。

白拍子花子は次々と衣装を変え、そして、手ぬぐいに鞨鼓(かっこ)や鈴太鼓といった小道具を用いて娘の恋心を踊ってみせる。しかし、時折見せる鐘への鋭い視線が怖い。

また、冒頭から登場する「聞いたか坊主」と呼ばれる所化たちのやりとりが楽しい。「まい尽くし」は尾上右近さんが担当。中盤には、所化たちが花傘を手に楽しく踊る。さらに、長唄三味線の聞きどころも多い。

「京鹿子娘道成寺」は上演される機会が多いから、この DVD で予習して、実際に劇場に行って手ぬぐい撒きも含めて楽しむのが良いと思う。

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