「歌舞伎特選DVDコレクション」79号は「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり」で、平成20年(2008年)2月に博多座で行われた公演が収録されている。本編74分。音声ガイドは収録されていない。 4:3映像のため、両サイドに灰色の帯がある。
傾城薄雲/童/薬売り/番頭新造/座頭/蜘蛛の精に市川亀治郎(現・猿之助)さん、源頼光に中村勘太郎(現・勘九郎)さん、碓井貞光に中村獅童さん、坂田金時に中村亀鶴さん、卜部季武に中村七之助さん、渡辺綱に市川男女蔵さん、平井保昌に片岡愛之助さんの配役。
特選DVDコレクション中、唯一の博多座での公演で、映像の冒頭は役者さんの名前の幟や博多座の外観が収録されている。
この作品の見どころは、猿之助(亀治郎)さんの早替わりと役の踊り分け。猿之助さんの身体能力の凄さに驚かされる。マガジン表紙の役名は簡単にしか書いていないけれど、実際には、童熨斗丸(猿之助さんの本名の喜熨斗から)・薬売り彦作(同じく本名の孝彦から)・番頭新造八重里・座頭亀市(亀治郎から)と、猿之助さんに関連する役名がついている。
蜘蛛の精が次から次へと姿を変えて現れるが、すっぽんや鳥屋はともかく、常磐津連中の山台や屋台へ上がる階段から登場(殆ど「四の切」)するのも見せ場の一つだろう。
音声ガイドは収録されていないものの、マガジンにはあらすじと常磐津の歌詞の一部が掲載されているため、舞踊が一層楽しめる。
最後に蜘蛛の精は退治されて幕となったのだが、鳴りやまない拍手にカーテンコールが行われ、その様子も収録されている。
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