歌舞伎特選DVDコレクション60 仮名手本忠臣蔵 七段目・十一段目

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「歌舞伎特選DVDコレクション」57号から60号は、4号にわたって平成21年(2009年)11月に歌舞伎座で行われた「仮名手本忠臣蔵」が収録されている。60号は「七段目・十一段目」で、本編122分。音声ガイドは収録されていない。

「七段目」は、大星由良之助に片岡仁左衛門さん、遊女お軽に中村福助さん、赤垣源蔵に中村松江さん、冨森助右衛門に市川男女蔵さん、矢間重太郎に澤村宗之助さん、仲居おつるに中村歌江さん、斧九太夫に松本錦吾さん、大星力弥に市川門之助さん、寺岡平右衛門に松本幸四郎(現・白鸚)さんの配役。

「十一段目」は、大星由良助に片岡仁左衛門さん、小林平八郎に中村歌昇(現・又五郎)さん、竹森喜多八に中村錦之助さん、赤垣源蔵に中村松江さん、佐藤与茂七に中村萬太郎さん、矢間重太郎に澤村宗之助さん、冨森助右衛門に市川男女蔵さん、大星力弥に市川門之助さん、原郷右衛門に大谷友右衛門さん、服部逸郎に中村梅玉さんの配役。

「四段目」で大星由良之助を演じた松本幸四郎さんが「七段目」で寺岡平右衛門、「四段目」で石堂右馬之丞(いしどううまのじょう)を演じた片岡仁左衛門さんが「七段目・十一段目」で大星由良之助に配役が変更になり、大星力弥が片岡孝太郎さんから市川門之助さんに交代したものの、大半の配役は「四段目」と変わらない。

「七段目」は華やかな祇園一力茶屋を舞台に、遊興にふけっているように見せながら、心の奥底では仇討ちを強く思っている由良之助と、遊女になっても勘平のことを深く思っているお軽の人間ドラマが描かれている。

「落人」「五段目・六段目」そして「七段目」と続けて観ると、お家の騒動に巻き込まれたお軽・勘平のカップルが、「仮名手本忠臣蔵」の影の主役ではないかと思いたくなるくらい描かれている分量が多い。仇討ちを抜きにして、お軽・勘平の物語だけでも、鑑賞に堪えうるドラマとして成り立つように作った江戸時代の作者たちの構成力が凄い。

加古川本蔵家の物語となる「八段目」「九段目」、そして、天川屋義兵衛が主人公の「十段目」を飛ばし、討ち入りの「十一段目」となる。

華やかな舞台だが、心理的にはいろいろ重い「七段目」のあとは、激しい立ち廻りや舞台の美しさを楽しむ「十一段目」。一日がかりの通し狂言の最後は、気楽なものでないと観客が疲れ果てる。

いつかは「仮名手本忠臣蔵」の通しを観たいものだが、このコロナ禍ではしばらくの間は難しいのだろう。

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