「歌舞伎特選DVDコレクション」53号は「高坏(たかつき)」で、平成22年(2010年)2月に歌舞伎座で行われた公演が収録されている。本編32分。音声ガイドは収録されていない。
次郎冠者に中村勘三郎さん、大名某に坂東彌十郎さん、太郎冠者に片岡亀蔵さん、高足売に中村橋之助(現・芝翫)さんの配役。
昭和8年(1933年)9月に、六世尾上菊五郎、七世坂東三津五郎ほかで初演された新作舞踊。六世菊五郎が亡くなってから上演が途絶えていたが、昭和27年(1952年)に十七世中村勘三郎が復活させて人気演目となった。その後、十八世中村勘三郎が引き継ぎ、現在では、中村勘九郎さんほか多くの役者さんによって上演されている。
大名某、太郎冠者、次郎冠者が登場するので、松羽目物に思われるけれど、舞台の背景は満開の桜で、松羽目物とは異なる。台詞は聞き取りやすく、ストーリーも分かりやすい。また、マガジンに長唄の歌詞の大部分が掲載されており、照らし合わせると一層楽しめる。
最大の見どころは、終盤の勘三郎さんによる下駄でのタップダンス。酒に酔って楽しげに下駄タップダンスを踊る勘三郎さんの姿に、大名某や太郎冠者ではないけれど、観ているこちらまでウキウキとなってくる。
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