「歌舞伎特選DVDコレクション」13号は「マハーバーラタ戦記」で、平成29年(2017年)10月に歌舞伎座で行われた公演の序幕が収録されている。 本編109分。
迦楼奈(かるな)・シヴァ神に尾上菊之助さん、汲手(くんてぃ)姫に中村時蔵さん、帝釈天に中村鴈治郎さん、鶴妖朶(づるようだ)王女に中村七之助さん、百合守良(ゆりしゅら)王子に坂東彦三郎さん、風韋摩(びーま)王子に坂東亀蔵さん、阿龍樹雷(あるじゅら)王子・梵天に尾上松也さん、汲手(くんてぃ)姫に中村梅枝さん、納倉(なくら)王子に中村萬太郎さん、沙羽出葉(さはでば)王子に中村種之介さん、道不奢早無(どうふしゃな)王子に片岡亀蔵さん、修験者破流可半(はるかばん)に河原崎権十郎さん、亜照楽多(あでいらた)に坂東秀調さん、羅陀(らーだー)に市村萬次郎さん、行者に市川團藏さん、大黒天に坂東楽善さん、太陽神に市川左團次さん、那羅延天(ならえんてん)・仙人久理修那(くりしゅな)に尾上菊五郎さん他の配役。
この作品は、「イーリアス」、「オデュッセイア」と並び世界三大叙事詩とされる「マハーバーラタ」から、カルナの物語を軸に構成されている。登場人物の名前が日本人にはなじみのないものなので、慣れるまで少し時間がかかったものの、マガジンに掲載されている人物相関図やあらすじを見ながら観ると、せりふが分かりやすいので話の流れはつかめる。
幕開き冒頭は「仮名手本忠臣蔵」の「大序」の演出を取り入れたもの、また、5人の王子の名乗りは「白浪五人男」を彷彿とさせるもので、それらの演目を知っていると、一層楽しめる。
迦楼奈を身ごもる若い時の汲手姫を息子の中村梅枝さん、16年後の汲手姫を父親の中村時蔵さんが演じているのが、代々続く歌舞伎ならではの工夫だと思った。
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