歌舞伎オンデマンドで「次郎長外伝 裸道中」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、11:00-11:49 49分で、配信は50分だった。
配役は、博徒緒川の勝五郎に中村獅童さん、勝五郎女房みきに中村七之助さん、大政に市川男女蔵さん、小政に中村橋之助さん、法印大五郎に中村虎之介さん、保下田の久六に中村吉之丞さん、豚松に市村光さん、次郎長女房お蝶に市川高麗蔵さん、清水の次郎長に坂東彌十郎さん。
この演目は、劇作家・演出家の谷屋充(たにやみつる)が書いたもので、新国劇(1917年から1987年に活動していた劇団)で上演されていた。新国劇という固有名詞は知識として知っているけれど、実際の舞台は当然知らない。
秋祭りの日、貧乏すぎて何もない勝五郎の家に、かつて世話になった清水の次郎長一行が偶然立ち寄る。勝五郎とみきが、なんとか一行をもてなそうとして悪戦苦闘する姿が笑いを誘う。次郎長は夜具のない家で「暑い」といって着物を脱いで寝る。勝五郎は一行の着物を質に入れて博打に行ったものの、負けて自分の着物も巻き上げられて帰ってくる。しかし、次郎長は勝五郎の頬を平手打ちにしただけで、一行は裸のまま旅立っていき(なので「裸道中」なのか)、次郎長が懐の深い人物であることをみせている。その後、久六が手下を連れてやってきて、勝五郎と立ち廻りを繰り広げる。幕切れは、みきと架空の丁半博打で堅気になることを誓う。
前半は喜劇、中盤は次郎長の人間の大きさを見せ、終盤は立ち廻り、そして、最後に夫婦愛で泣かせる、笑いあり涙ありの定番のお芝居だった。
獅童さんは「瞼の母」の番場の忠太郎もそうだったが、渡世人の役が似合っている。
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