歌舞伎オンデマンドで「鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、7:52-8:46 54分で、配信も同じだった。
配役は、静御前/源義経/老女/白蔵主/油坊主/三途川の船頭/化生に市川團十郎さん、三つ目/町娘/五郎姉二宮姫に市川ぼたんさん、提灯/若船頭/竹抜五郎に市川新之助さん、僧普聞坊に大谷廣松さん、僧寿量坊に市川男寅さん、僧隋喜坊に中村玉太郎さん、蛇骨婆に市川九團次さん、姑獲鳥に中村児太郎さん、僧方便坊に中村種之助さん。
この演目は九世市川團十郎が制定した新歌舞伎十八番の一つで、2018年(平成30年)に復活上演された。今年が九世市川團十郎没後120年により再演となったとのこと。
見どころは何といっても團十郎さん7役早替わり。前半は老女、白蔵主、油坊主、そして、三途川の船頭と趣向を凝らしたもの。後半は静御前と源義経を次々と早替わりする。團十郎さんは静御前よりも源義経の方が良かった。静御前から化生に変わり、僧たちが調伏しようと試みるも手に負えず、最後は新之助さんの竹抜五郎とぼたんさんの五郎姉二宮姫に押戻される。
新之助さんが3役早替わり。提灯の衣装は踊りにくかったかもしれないが、とっても可愛らしかった。若船頭は粋で、竹抜五郎は非常に勇ましいものだった。大人顔負けの演技に、将来を期待してしまう。いつの日か、ぼたんさんの「京鹿子娘道成寺」で押戻しを勤めてほしい。
ぼたんさんも3役早替わり。これまた可愛らしい三つ目、そして、町娘。二宮姫は「女暫」の巴御前の拵え。新之助さんに負けず劣らず勇ましい姿。ぼたんさんも今後が楽しみだ。
九團次さんの蛇骨婆がコミカルな動きで笑いを誘っていた。
河東節(女性のみ)、常磐津、清元、長唄、竹本の共演という、音楽的にも豪華なものだった。
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