歌舞伎オンデマンド 与話情浮名横櫛

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歌舞伎オンデマンドで「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 4:00-4:43、5:03-5:59 合計1時間39分だったが、配信は1時間40分だった。

配役は、与三郎に片岡仁左衛門さん、お富に坂東玉三郎さん、蝙蝠安に片岡市蔵さん、番頭藤八に片岡松之助さん、五行亭相生に市村橘太郎さん、海松杭の松五郎に中村吉之丞さん、お針女お岸に中村歌女之丞さん、赤間源左衛門に片岡亀蔵さん、鳶頭金五郎に坂東亀蔵さん、和泉屋多左衛門に河原崎権十郎さん。当初は和泉屋多左衛門に市川左團次さん、鳶頭金五郎に河原崎権十郎さんと発表されていたが、市川左團次さんがお亡くなりになったことで、配役が変更となった。

仁左衛門さんも、玉三郎さんも70歳を超えているけれど、舞台の上では若くて美しい男女。玉三郎さんのお富は粋な姐さんだし、仁左衛門さんの与三郎は育ちの良いぼんぼん。与三郎が悪党に落ちぶれても、石を蹴る姿や膝を立てて座る姿に品の良さが垣間見れる。というか、垣間見せるのが芸なのだろう。二人が形を決めると、美しい絵面になる。

「見染の場」では、久しぶりの与三郎と金五郎の客席回りがあって、当然ながら客席は大いに盛り上がっていた。(仁左衛門さん「お上のお許しが出て」)。

長唄三味線柏要二郎さんの配信で知ったが、お富と与三郎がぶつかって会釈を交わし、しばらくして、噂のお富、噂の与三郎、とお互いが気付いて膝を打つ場面は、唄の歌章「アレ」と合わせている。見事な演出の工夫だ。(これまで数回「与話情浮名横櫛」は観ているけれど、気が付かなかった)。

「赤間別荘の場」は、以前、一度だけ観たことがあるけれど、細かい所はすっかり忘れている。与三郎を逢引のために呼び出し、更に手を引いて寝室に誘うお富、積極的な女性だったのね。

「源氏店の場」はここ単独でもよく上演されている。お楽しみ藤八お化粧タイムで、白粉のブランドを言うことが多かったのだが、玉三郎さんは言わなかった。玉三郎さんご愛用ともなれば影響力が大きいし、ブランドがなくてもお芝居には影響がないので、言わなかったのも当然か。

お富と与三郎が三年ぶりに再会する。玉三郎さんと仁左衛門さんの二人だからこそ醸し出される、緊張感があるも美しい場面。

玉三郎さんのお富、仁左衛門さんの与三郎は、これが最後になるのだろうか。

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