歌舞伎オンデマンド 助六由縁江戸桜

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歌舞伎オンデマンドで「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 5:48-7:48 2時間で、配信は開演前後を含めて2時間17分だった。

花川戸助六に海老蔵改め市川團十郎白猿さん、三浦屋揚巻に中村七之助さん、通人里暁に市川猿之助さん、三浦屋白玉に中村梅枝さん、福山かつぎに坂東巳之助さん、男伊達山谷弥吉に市川男女蔵さん、男伊達田甫富松に中村萬太郎さん、男伊達竹門虎蔵に大谷廣太郎さん、男伊達石砂場石造に中村福之助さん、男伊達石浜浪七に中村吉之丞さん、傾城八重衣に坂東新悟さん、傾城浮橋に中村児太郎さん、傾城胡蝶に大谷廣松さん、傾城愛染に中村鶴松さん、傾城誰ヶ袖に市川笑三郎さん、茶屋回りに中村玉太郎さん、茶屋回りに中村歌之助さん、茶屋回りに市川染五郎さん、茶屋回りに市川團子さん、文使い番新白菊に中村歌女之丞さん、奴奈良平に市川九團次さん、朝顔仙平に市川猿弥さん、国侍利金太に片岡市蔵さん、遣手お辰に市村萬次郎さん、三浦屋女房に大谷友右衛門さん、白酒売新兵衛に中村勘九郎さん、髭の意休に坂東彌十郎さん、くわんぺら門兵衛に市川左團次さん、曽我満江に坂東玉三郎さん、口上に松本幸四郎さんの配役。市川團十郎白猿さん襲名披露狂言ということで、11月に続き、豪華な配役での上演となった。

2022年12月26日に生配信したもののアーカイブ配信。11月の「助六」も配信が始まっていたけれど、いろいろと忙しく、先に12月の「助六」を観ることとなった。

襲名幕は金地に水墨画で描かれた大小2輪の牡丹の花。(飯田グループホールディングス贈呈)。牡丹は成田屋の替紋で、助六の衣装にもみられるもの。

幕が開くと、口上の幸四郎さんが下手から登場して口上を述べ、河東節ご連中の皆さまによる演奏が始まった。

まずは、茶屋回りの染五郎さんと團子さん、玉太郎さんと歌之助さんが、金棒を鳴らしながら、花道から舞台上手へ、舞台上手から花道の鳥屋へと歩いていく。将来を嘱望されている、若手御曹司たち。

続いて、新悟さん、児太郎さん、廣松さん、鶴松さん、笑三郎さんによる、並び傾城たちが登場して、舞台は一気に華やかに。少々お姉さんの笑三郎さんは別格として、若手女方4人による傾城たちも見事なものだった。地味な存在かと思っていた廣松さんが、非常に美しかったことに驚く。

そして、七之助さんの揚巻が花道から登場する。豪華な髪飾りに衣装もあって、本当に美しい。2023年5月に40歳になる七之助さん、身体的に一番美しい時期なのかもしれない。続いて、梅枝さんの白玉と、彌十郎さんの意休が登場。白玉は揚巻の妹分ということで、少し控え目な美しさ。そして、2022年の NHK 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で大ブレイクした彌十郎さんの意休は貫禄たっぷりだった。

そうこうするうちに、團十郎白猿さん演じる助六の登場となった。團十郎白猿さんは顔も姿も美しく、また、やんちゃな雰囲気もあり、これ以上、助六にふさわしい役者さんはいないのではないかと思わせるもの。意休を怒らせるための台詞の中に、客受け狙いの「北條時政(大河で彌十郎さんが演じた)によく似た蛇」ってあったけれど、助六すなわち曽我五郎時致の烏帽子親が北條時政だったはずでは…、と野暮なことを思ってしまった。

左團次さんのくわんぺら門兵衛、巳之助さんの福山かつぎ、猿弥さんの朝顔仙平とユニークな登場人物が現れて一騒動となる。全体的に出演者が若い中、左團次さんが少々気の毒に思えたが、他にくわんぺら門兵衛ができる役者さんはいなかったのか。助六が暴れている間に皆舞台から去り、勘九郎さん演じる白酒売新兵衛実は兄の曽我十郎が花道に残っている。ここで、助六が兄に喧嘩指南。市蔵さんの国侍、九團次さんの奴、猿之助さんの通人は、とんだとばっちりで、助六と新兵衛の股をくぐる。猿之助さんはコロナ禍らしく(?)非接触型体温計や消毒薬を取り出す。一面に三升(成田屋の紋)、もう一面に角切銀杏(中村屋の紋)が染められた袱紗を頭に股くぐりをするのはお約束。「おしまい death」や、「施されたら施し返す、恩返しです」と、「半沢直樹」の大和田常務の台詞まで飛び出す。(「助六」には市川中車さんは出演しなかった)。

三浦屋から揚巻と客が出てきて、客に詰め寄る助六。だが、客は兄弟の母の満江で、助六も新兵衛も何も言えない。玉三郎さんが満江だったけれど、玉様の揚巻が観てみたかった。

意休の持つ刀が探し求める友切丸であることが分かり、いきり立つ助六を揚巻は意休の帰りを待つようになだめ、助六が花道を去って幕となった。

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