歌舞伎オンデマンドで「襲名披露 口上」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 4:48-5:11 23分で、配信は開演前後を含めて35分だった。
出演は、市川海老蔵改め市川團十郎白猿さん、初舞台の市川新之助さん、松本白鸚さん、中村梅玉さん、尾上菊五郎さん、片岡仁左衛門さん、市川左團次さん。
11月7日に生配信したもののアーカイブ配信。配信を再生すると、團十郎白猿さんと新之助さんの写真、しばらくして、ざーっと音がしたのは、定式幕から襲名幕に変えた音だったのだろうか。しばし、客席のざわめきが聞こえ、程なく、舞台にかかる白地に大きく柿色の三升が描かれた幕(伊藤園提供)が映し出された。拍子木が鳴り、片しゃぎりが流れる。
幕が引かれると、出演者一同が平伏している。上手側から、菊五郎さん、梅玉さん、白鸚さん、團十郎白猿さん、新之助さん、左團次さん、仁左衛門さん。
口上の仕切りは、白鸚さん。「先輩方のお教えをよく守り、同輩には舞台の上で芸の火花を散らし、後輩・若手・一門の者には大きな愛情をもって接し、これからの歌舞伎を担ってもらいたい」。
次に、梅玉さん。12代目團十郎さんと同い年とのこと。「新しい13代目團十郎としての助六という、自分なりの覚悟をもって挑まれているような気がいたします」。新之助さんについては、「幼いながらも、市川宗家の御曹司としての覚悟を身に着けたような芸を見せていらっしゃいます。プレッシャーに負けずに、これからも、大きく大きくのびのびと御曹司らしく育っていってほしい」。
菊五郎さん。「海老蔵さん、一時は、暴れん坊将軍というような名前を頂いたそうでございますが」。新之助さん初舞台について、「12代目さんの嬉しそうな顔が瞼に浮かんでまいります」。
下手側に移り、仁左衛門さん。共演する「助六」での役名(くわんぺら門兵衛)を忘れ、隣の左團次さんに教えてもらう。「助六(團十郎白猿)と福山のかつぎ(新之助)に非常になめられまして、ばかにされまして、恥しめられる、情けないお役。この点、私、やっていてあまり嬉しくございません。お二人のめでたいご襲名ご披露狂言にご一緒できて、本当に嬉しゅうございます」。
左團次さん。「お父様の團十郎さんは、もうこれより高みへのぼることのない役者さんでございます。それゆえ、お父様は脇の方へおいやって、これからは、8代目市川新之助さんをご贔屓、お引き立てのほどを、ひとえにお願い申し上げ奉ります」。
そして、海老蔵あらため團十郎白猿さん。「まだまだ未熟者ではございますが、初代より12代、團十郎を大切にしてまいりました先祖がございます。その先祖の足元にも及びませんが、一生懸命努力をし、精進をしたいと思っている次第でございます」。
初舞台の新之助さん。元気よく、はきはきと、抑揚付けて「ひとかどの歌舞伎役者となれるよう、一生懸命相勤めますれば、どうぞ宜しくお願い申し上げ奉りまする」。
あいさつ終了後、團十郎白猿さんによる「にらみ」。團十郎白猿さんが右袖を脱ぎ、巻物を載せた三方を左手にし、にらんだ姿で幕となった。(裃後見は市川齊入さん)。
大幹部の皆様方、團十郎白猿さんに対しては、なかなか厳しいお言葉。新之助さんには期待している様子がうかがえた。
團十郎白猿襲名の口上を、500円という破格の値段で配信してくれたのはありがたい。
12月の口上は、通常の3300円かな。
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