歌舞伎オンデマンドで「弁天娘女男白浪」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 7:00-8:12 1時間12分で、配信の方は1時間11分だった。
配役は、弁天小僧菊之助に尾上右近さん、南郷力丸に坂東巳之助さん、忠信利平に中村隼人さん、赤星十三郎に中村米吉さん、鳶頭清次に中村橋之助さん、浜松屋倅宗之助に中村福之助さん、丁稚長松に坂東亀三郎さん、番頭与九郎に市村橘太郎さん、日本駄右衛門に坂東彦三郎さん、浜松屋幸兵衛に中村東蔵さん。
右近さんは2019年の自主公演「研の会」で弁天小僧を勤めているけれど、本興行では初めて。勉強会から3年で歌舞伎座の、それも「團菊祭」での「弁天」に抜擢されるのだから、本当に凄いこと。「研の会」で南郷力丸を勤めた坂東彦三郎さんが日本駄右衛門、番頭与九郎を勤めた市村橘太郎さんが再び番頭の配役で、右近さんをサポートする。
前半の娘姿は、本当に美しい。一転、かんざしが落ちて、弁天小僧の本性を現すときの眼は怖いものがあった。しかし、どすを効かせた男の声がきつそうに聞こえた。
右近さんは、初演時に弁天小僧を演じた五代目尾上菊五郎の血筋にあたるけれど、有名な台詞のところは「小耳に聞いた音羽屋の」だった。このまま「音羽屋の」で演じ続けるのかな。
巳之助さんの南郷力丸は、面倒見の良い兄貴分という感じが出ていた。右近さんと巳之助さん、良いコンビ。
彦三郎さんの日本駄右衛門は親分の風格が感じられた。息子の亀三郎さんも、お茶出しや草履出しをしっかりこなしていた。橋之助さんの鳶頭、橋之助さんがまだ20代だからか鳶頭の雰囲気が今ひとつに思えた。
右近さんは今後も弁天を演じる機会があるだろうから、今後の進化が楽しみだ。
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