歌舞伎オンデマンドで「桜姫東文章 下の巻」を観た。歌舞伎美人での上演時間は2:10-3:28 1時間18分 3:43-4:40 57分 合計2時間15分で、配信の方は2時間16分だった。
配役は、清玄/釣鐘権助/清玄の亡霊/大友常陸之助頼国に片岡仁左衛門さん、有明仙太郎実は粟津七郎/粟津七郎に中村錦之助さん、葛飾のお十に片岡孝太郎さん、奴軍助に中村福之助さん、吉田松若に片岡千之助さん(配信映像収録時は、新型コロナウイルスの PCR 検査陽性により休演)、判人勘六に嵐橘三郎さん、松浦に上村吉弥さん、残月に中村歌六さん、桜姫/風鈴お姫実は桜姫に坂東玉三郎さん。
冒頭、舞台番の片岡千次郎さんが登場し、4月公演の映像を用いて「上の巻」のあらすじを10分ほどで説明。復習に丁度良い。
「下の巻」は「上の巻」より展開が目まぐるしく変わり、桜姫、清玄、そして権助の運命が翻弄される。「下の巻」で仁左衛門さんは、病んでいる清玄、穴掘り権助、清玄の亡霊、大家の権助、最後は大友常陸之助頼国を早替わりで演じるのだから大変だ。また、玉三郎さんも、育ちの良い姫から、権助の女房、やさぐれた女郎、さらに、敵の権助や自分の子供も殺す冷淡な姿と、様々な桜姫を演じている。また、清玄が刃物を持って桜姫を襲う場面、桜姫が権助を刀で斬る場面の役者さんの身体能力も素晴らしい。芸の力と言ってしまえばそれまでだけど、仁左衛門さんも、玉三郎さんも年齢を考えるともの凄いことだと思う。
美男美女の恋愛、複雑に絡む人間関係、お家の重宝紛失に伴う善人悪人の画策。毒で容貌が変わったり、人魂や亡霊が出てくるオカルト要素。観客が喜ぶ要素を盛り込んだ脚本を書いた鶴屋南北は凄い作家だわ。
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