「歌舞伎特選DVDコレクション」3号は「連獅子(れんじし)」で、平成22年(2010年)4月に歌舞伎座で行われた、歌舞伎座さよなら公演が収録されている。本編55分。
狂言師後に親獅子の精に中村勘三郎さん、狂言師後に仔獅子の精に中村勘太郎(現・勘九郎)さん、狂言師後に仔獅子の精に中村七之助さん、僧蓮念に中村橋之助(現・芝翫)さん、僧遍念に中村扇雀さん。建て替え前の歌舞伎座の最後を飾るにふさわしい、中村屋親子による見事な舞踊で、最後の毛振りは息の合ったところを見せている。
「歌舞伎特選DVDコレクション」 はDVDに詳しい音声解説は収録されているものの、字幕が収録されていない。今回の「連獅子」では、字幕の代わりに、マガジンに長唄の大半の歌詞が掲載されている。
DVD収録の映像で、親獅子の精の十八世勘三郎さんは通常の紺地に金模様の衣裳ではなく、金地に紺の模様の衣裳を着ている。(マガジン掲載の写真は、紺地に金模様のもの)。マガジンのコラムに金の衣裳について説明があり、十八世の父親の十七世勘三郎さんが1986年6月に喜寿記念の「連獅子」を勤めたときのもので、2010年4月の公演期間に衣裳会社の倉庫から見つけ出され、十八世勘三郎さんが数回着用したとのこと。
残念ながら、十八世勘三郎さんは2012年12月に亡くなった。中村屋親子による「連獅子」、一度は観ておきたかった。
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