歌舞伎特選DVDコレクション21 廓噺山名屋浦里

※当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています

「歌舞伎特選DVDコレクション」21号は「廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと)」で、平成28年(2016年)8月に歌舞伎座で行われた公演が収録されている。 本編67分。

酒井宗十郎に中村勘九郎さん、花魁浦里太夫に中村七之助さん、牛太郎の友蔵に駿河太郎さん、留守居役田中力之丞に片岡亀蔵さん、留守居役秋山源右衛門に坂東彌十郎さん、山名屋平兵衛に中村扇雀さん他の配役。

この作品は、2011年にタモリさんが NHK 総合の「ブラタモリ」のロケで吉原を訪れた際に聞いた話を笑福亭鶴瓶さんに話し、落語にすることを勧め、2015年に落語「山名屋浦里」として高座にかかったものを勘九郎さんが見て、歌舞伎化されたもの。

向島の料亭で御留守居役たちが大川の花火を見物しようと盛り上がっているところへ、超真面目で「野暮天」と呼ばれる酒井宗十郎が遅れてやってくる。秋山源右衛門たちは酒井の歌や踊りをからかい、そして、次の寄合には江戸の妻(馴染みの花魁)を連れて行くことを酒井は承諾してしまう。酒井が途方に暮れていると、偶然、吉原随一の人気の浦里太夫と出会う。酒井は意を決して山名屋へ行き、山名屋主人に事情を話して、浦里を連れていきたいと懇願するも断られる。しかし、陰で話を聞いていた浦里が引き受け、寄合当日、約束通りに浦里が現れ、秋山たち御留守居役たちが驚く。後日、酒井がお礼の金を持って山名屋へ訪れるも、浦里はお金を受け取らずに返す。お国訛りの身の上話とともに訳を話し、酒井に間夫になってほしいと頼む。間夫といっても、兄妹のような間柄ということで酒井は承諾する。最後は浦里の花魁道中で幕となった。

酒井をいじめる留守居役たち、山名屋の牛太郎(遊女屋の客引き)、山名屋主人と登場人物のキャラクターがはっきりしていて、物語がテンポよく進む。新作歌舞伎なので台詞は分かりやすいけものの、「忘八」など普段耳にしない言葉については、音声ガイドで解説している。

花火見物の場での花火の映像や、江戸の妻を伴った寄合での花魁たちの豪華な衣装、そして、最後の浦里の花魁道中と視覚的にも見どころが多い。

牛太郎の友蔵役の駿河太郎さんは、笑福亭鶴瓶さんの息子。歌舞伎役者以外の俳優さんが、歌舞伎座の歌舞伎の舞台に立つのは非常に珍しい。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました