演目・上演時間
怪談 牡丹燈籠
配役 伴蔵女房お峰:坂東玉三郎 伴蔵:片岡愛之助 萩原新三郎:喜多村緑郎 お国:河合雪之丞 お六:中村歌女之丞 乳母お米:上村吉弥
上演時間 第一幕 2:00-3:05 1時間5分 第二幕 3:25-4:25 1時間
観劇記録
2023年8月の南座は、昨年に引き続き玉三郎さんの怪談もの。今年の「牡丹燈籠」は笑える場面も多く、怖さと面白さを併せ持った不思議な演目だ。
既にシネマ歌舞伎の配信を観ているので、ある程度話の筋を知った状態での観劇となった。今回は狂言回しの圓朝は出ず、代わりに喜多村一郎さん演じる舞台番が登場して、坂東玉朗さん演じるお露が恋煩いとなったことなどを説明した。
玉三郎さん演じるお峰は35歳の市井のおかみさん。観客の多くは美しく着飾った美しい玉三郎さんを観たいだろうけれど、演目が演目なだけに仕方がない。玉三郎さんのお峰は、幽霊を怖がって押し入れに入ったり、伴蔵と一緒にひっくりかえったりと、体当たりコメディのような演技を見せる。極めつけは「ちゅうちゅうたこかいな」の絶叫。生で聞く日が来るとは思わなかった。
上演時間が短めなので宮野辺源次郎は登場せず、お竹とお梅はお国の妹分のような酌婦としてのみの扱い。最後は、お米が取りついたお六とお露が取りついたお峰を伴蔵が刺し、宙を飛ぶ牡丹燈籠をお峰と思って伴蔵が追いかけ花道を引っ込んで幕となった。
お露・お米の幽霊も怖いけれど、もっと怖いのは人の心の変わりよう…。
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