歌舞伎オンデマンドで「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は12:07-12:51 44分だったが、配信の方は45分だった。
配役は、女童熨斗美・小姓澤瀉・番新八重里・太鼓持彦平・傾城薄雲実は女郎蜘蛛の精に市川猿之助さん、平井保昌に尾上松緑さん、坂田金時に坂東亀蔵さん、碓井貞光に中村福之助さん、卜部季武に市川弘太郎さん、金時女房八重菊に市川笑三郎さん、貞光女房桐の谷に市川笑也さん、渡辺綱に市川中車さん、源頼光に中村梅玉さん。
澤瀉屋に、音羽屋の坂東亀蔵さんが出演するのは珍しいように思う。
この演目は2020年11月に上演されたが、「ふたたびのご熱望にお応えして」という文言を添えての再演。 卜部季武、渡辺綱、そして、平井保昌が蜘蛛退治に加わった。
前回同様、台詞に「変異株」、「収束しても良い頃な(コロナ)」、「飛沫感染」、「濃厚接触」、「ワクチン」と、いまだ続く新型コロナウイルス感染症に関連した言葉が織り込まれている。
前半は、前回同様に猿之助さんの早替わりを含めてスピーディーに展開する。中盤は一転、猿之助さんの傾城薄雲と梅玉さん演じる源頼光のゆったりとしたやりとりが繰り広げられ、とうとう薄雲の正体が見破られる。頼光そして四天王と女郎蜘蛛の精とのバトルがあり、花道に逃げた女郎蜘蛛の精を松緑さんの平井保昌が登場して、押戻し。松緑さんの台詞にあったように、5月に歌舞伎座で上演された「土蜘」では、松緑さんが土蜘で猿之助さんが源頼光と立場が逆だった。
押戻しがついた分、前回より豪快で迫力のある演目に進化していた。
次回上演されるときは、新型コロナウイルス騒動が落ちついて、疫病に関する台詞が入らないようになっていますように。
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