歌舞伎オンデマンド 當世流小栗判官

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歌舞伎オンデマンドで「當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 11:00-12:17、12:47-1:40 合計2時間10分で、配信の方は 2時間8分だった。

配役は、小栗判官/浪七に市川猿之助さん、照手姫に市川笑也さん、矢橋の橋蔵/横山太郎に坂東巳之助さん、万屋娘お駒/岡村采女之助に尾上右近さん、横山三郎に市川男寅さん、遊行上人弟子一眞に寺嶋眞秀さん、横山次郎に市川青虎さん、横山太郎妻飛鳥に中村梅花さん、旅女房およしに市川寿猿さん、後家お槙に市川笑三郎さん、横山大膳に市川猿弥さん、鬼瓦の胴八に市川男女蔵さん、浪七女房お藤/上杉安房守に市川門之助さん、遊行上人に中村歌六さん。

当代猿之助さんは、亀治郎時代の2011年10月に小栗判官兼氏/浪七/娘お駒を勤めていて、この時の上演時間が 4:30-5:12、5:32-6:46、7:16-8:40 合計3時間20分の長丁場だった。その公演は

で観ている。

今回の公演は3部制のため約2時間での上演だったが、見どころを凝縮した見応えのあるものだった。

まず、鎌倉横山大膳館の場では、暴れ馬の鬼鹿毛が大活躍。小栗判官が鬼鹿毛を手なづけ碁盤の上に乗るところが見せ場。近江国堅田浦浪七住家の場では、道化役の橋蔵演じる巳之助さんが、「詫びろ、詫びろ、詫びろ」の台詞も含めていろいろ笑わせる。堅田浦浜辺の場では、一転、激しい立ち廻りに浪七の壮絶な最期が凄まじい。

一旦幕が閉まり、再び開くと、美濃国青墓宿万福長者内奥座敷の場だった。その前の、宝光院門前と万福長者内風呂がカットされたが、台詞でうまくまとめていた。小栗判官とお駒二役早替わりではなかったのは、時間制限から仕方がないのだろう。お駒がお槙に殺され、お駒の怨念で小栗判官が病になる展開が早かった。

続いて、猿之助さんと笑也さんによる雪降る山中での道行。今回は旅女房およしとして寿猿さんが登場して車を引く。何十年ぶりかの女方とのこと。御年92歳とは思えない、しっかりとした足取りでの踊りだった。

そして、熊野権現の霊湯にたどり着く。遊行上人弟子一眞として出演した寺嶋眞秀さんが、短いながらも踊りを披露していた。ついに小栗判官の病が治り、判官と照手姫が神馬に乗っての宙乗りへ。笑也さんは今回の公演で宙乗り1000回を迎えたとのこと。長年照手姫を演じ続け、美貌が衰えないというのが凄い。

浅葱幕が振りかぶされ、宙乗りの間に場面転換となる。浅葱幕が振り落とされると、常陸国華厳の大滝となり、横山大膳たちと小栗判官たちによる最後の立ち廻りへ。最後に大量の雪がどさっと降って来て、切り口上となった。

宙乗りや早替わりを含め、これだけ見せ場が凝縮された舞台は、さすが澤瀉屋というものだった。

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