歌舞伎オンデマンド　あんまと泥棒

歌舞伎オンデマンドで「あんまと泥棒」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 11:00-11:47 47分で、配信の方は49分だった。

配役は、あんま秀の市に市川中車さん、泥棒権太郎に尾上松緑さん。

この演目は、昭和26年（1951年）にラジオドラマとして放送され、昭和41年（1966年）に舞台化されたもの。中車さんと松緑さんによる上演は、2018年12月に続いて2回目となる。

冒頭の約10分強は、文字通り中車さんの一人芝居。あんまの役ということで、目は閉じたままでの演技なのに、泣いたり笑ったり怯えたり怒ったり、声を含めて表情豊かなのに驚かされる。いつぞやの「紀尾井町夜話」で話題になっていた頭の形に目が行ってしまう。

2月に上演された「泥棒と若殿」の記憶もまだ薄れていない中、再び泥棒役を勤める松緑さん。「泥棒と若殿」の伝九郎もそうだけど、人情に厚く優しい泥棒役が松緑さんにはまっている。（三宅島帰りの入れ墨についても、「紀尾井町夜話」で話題になっていたな）。

中車さんと松緑さんという、どちらも非常に個性的な役者さんたちによる台詞劇は、本当に面白いものだった。