歌舞伎オンデマンドで「仮名手本忠臣蔵 道行旅路の花聟」(通称:落人)を観た。歌舞伎美人での上演時間は2:30-3:09 39分で、配信の方は38分だった。
配役は、早野勘平に中村錦之助さん、鷺坂伴内に中村萬太郎さん、腰元おかるに中村梅枝さん。
通常、歌舞伎では定式幕が下手から開くけれど、この演目は文楽同様に定式幕が上手から開く。
幕が開いても、舞台上には浅葱幕。祈の音で浅葱幕が落とされ、奥に富士山、辺り一面に桜や菜の花が咲く春の風景が広がっている。舞台中央に傘で顔を隠したおかると勘平。傘を外すと、美しい男女が現れた。
凄い視覚効果だ。
大好きな勘平さんと旅してウキウキのおかるとは対照的に、主君の一大事に居合わせなかったことを悔やんでいる勘平。おかるの中村梅枝さんは若いけれど、叔父の中村錦之助さんの勘平に負けていない。
そうこうするうちに、高師直の家来・鷺坂伴内がおかると勘平を捕まえにやってくる。中村萬太郎さんは三枚目路線なのか。萬太郎さんはNHK大河ドラマ「青天を衝け」に福沢諭吉役で出演していて、これからの活躍が楽しみな若手の一人。
伴内は一旦退散したものの、再び、舞台に登場する。おかると勘平が花道に進み、伴内が花道に向かおうとしたところで定式幕が下手側から閉められていく。定式幕に追い立てられるように伴内が上手側へ移動し、途中から客席側へ出て定式幕を持って幕を引く。上手側から幕が開いた理由が分かった。
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