演目・上演時間
一、お年賀口上
上演時間 2:00-2:25 25分
二、賤の小田巻
上演時間 2:40-3:00 20分
三、傾城雪吉原
上演時間 3:20-3:45 25分
観劇記録
2020年1月以来、約1年振りの松竹座。年始ということもあってか道頓堀に人は出ていたものの、さすがに以前のような大混雑ではなかった。
入場前にイヤホンガイドを借り、手指消毒、そして体温チェック。係員にチケットを見せて、半券は自分で切り離して係員の持つ箱に入れる。今回は3階の2等席を取ったので、いそいそと上の階へ急ぐ。使用できない席には「こちらの座席はご利用いただけません」と記したカードが貼ってあった。
まず、お年賀口上。緞帳が上がると、舞台中央に玉三郎さんが平伏している。玉三郎さんが新年のあいさつ、来場のお礼を述べたあと、衣桁にかけられた「助六」の揚巻のお正月飾りの打掛について解説。大きな海老や鏡餅だけでなく、干柿や御幣の後に昆布まであったとは知らなかった。続いて、「吉田屋」の夕霧の鳳凰と牡丹の打掛(一人の女性職人さんが1年かけて刺繍したものとのこと。歌舞伎美人の2021/01/04付けニュース https://www.kabuki-bito.jp/news/6556/ に写真がある)、「天守物語」の富姫の御簾と薬玉の打掛に、
の表紙写真にある龍の打掛、そして、再び揚巻の
の表紙写真で着用している桜と火焔太鼓の打掛を、図柄について簡単に解説しては、身にまとって観客に披露する玉三郎さん。衣装の豪華さに圧倒された、非常に贅沢な時間だった。
2012年に南座で開催された「玉三郎”美”の世界展」のような展覧会を、またどこかで開催してほしい。
15分間の休憩の後に、「賤の小田巻」。明治に作られた長唄の曲で、歌舞伎での上演はほとんどなく、今回、玉三郎さんが初役で勤める。なお、番付の上演記録には、平成6年8月に国立劇場小劇場で市川高麗蔵さんが[艶競四季詠(はでくらべしきのながめ)」の「春」で上演と記載されていた。https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/plays/view_detail?division=plays&class=kabuki&type=series&lstart=all&sid=1&did=2000437&trace=detail
前半は能の唐織姿、後半は白拍子姿の静御前で、凛とした玉三郎さんの姿が非常に美しかった。また、前半と後半の玉三郎さん衣装替えの間に演奏された三味線の合奏は、ダイナミックで聴きごたえのあるものだった。
20分の休憩の後に、「傾城雪吉原」。この演目は2019年3月に南座で観ている。そして、1月2日に NHK Eテレで高木秀樹さんの解説付きで放送されたのが、良い予習になった。先の静御前も美しいものだったが、玉三郎さんは傾城姿が本当に美しい。わずかな時間ではあったものの、口上で述べられた通りに、別世界に誘われた。
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