演目・配役・上演時間
一、檜垣
配役 関守の檜垣の老女実は老女の亡魂:藤間勘十郎、小野小町:中村鷹之助、四位の少将:市川猿之助
上演時間 11:00-11:41 41分
二、玉兎
配役 中村鷹之助
上演時間 11:49-12:05 16分
三、黒塚 ~月の巻より~
配役 老女岩手:市川猿之助
上演時間 12:12-12:32 20分
四、悪太郎
配役 悪太郎:市川猿之助、修行者智蓮坊:藤間勘十郎、太郎冠者:中村鷹之助 伯父安木松之丞:市川猿弥
上演時間 13:02-13:48 46分
観劇記録
久しぶりに生の舞台を拝見した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、前後左右の座席を空けて、マスク着用での鑑賞。座席が空いているので、舞台は見やすかった。宮川町の今藤美佐緒さんが三味線で出演されるためか、花街関係と思われる和服の女性も多く、舞妓さんも数名着席していた。
開演に先立ち市川猿之助さんのあいさつが放送される。場内が暗くなり、緞帳が上がった。
清元、長唄、鳴物の方々は、箏の女性と三味線の今藤美佐緒さんを除き、皆さん黒い覆面を着用。
「檜垣」は小野小町と四位の少将が連れ添って歩いているところへ、少将を恋い慕った老女の亡霊が現れ小町に嫉妬するが、最後は観世音菩薩の通力によって亡霊が退散するというもの。素踊りで化粧や衣装のごまかし(?)がないのに、立派な公家や、可憐な女性(鷹之助さんの女方は初めて観るかも)、嫉妬する老女に見えてくるのだから、芸の力は凄いものだ。
「玉兎」で鷹之助さんは小町から一転、軽快に踊っていた。後見は澤村國矢さん。(超歌舞伎、南座で観たかった)。12月に南座で行われる顔見世でも、國矢さんが鷹之助さんの後見を勤める予定。
続いては、猿之助さんの「黒塚」月の巻。これも素踊り。素踊りの「黒塚」は珍しいかも。衣装を着けた姿を脳内で重ねながら、また、猿之助さんの眼力を確認しながら、月明かりで出来た影と楽しそうに踊る姿を観ていた。
昼食は劇場近くにあるグランディールで買ったベーグル。グランディールにねこねこ食パンが売っていてびっくりしたが、調べてみると、グランディールもねこねこ食パンも同じ会社が運営しているのね。
最後は、狂言から移された「悪太郎」。歌舞伎役者さんたちは衣装を着て化粧をしていたが、勘十郎さんは能の衣装での出演。特に違和感はなかった。まず、松之丞と太郎冠者が登場し、悪太郎を懲らしめる相談をしているところへ、長刀を持った悪太郎が花道から登場して暴れる。松之丞と太郎冠者が引っ込み、次に智蓮坊が登場して、酔った悪太郎とやり取り。酒癖の悪い悪太郎が酔って寝ている間に、松之丞と太郎冠者が悪太郎の髪と髭を剃り落として僧の姿にし、南無阿弥陀仏と名付けると暗示をかける。目を覚ました悪太郎は、智蓮坊が唱える念仏に自分が呼ばれたと反応し、鉦を叩きながらの応酬に。最後は松之丞と太郎冠者も出てきて、4人で楽しく踊りながらの幕となった。楽しく終わるのは良い。
どの演目も素晴らしいものだった。全ての演目に月が出ていて、十五夜(今年は10月1日だった)の時期に相応しい演出が、また良かった。
今回の舞踊公演は10月19日から25日まで e+ の Streaming+ にて配信される。https://eplus.jp/sf/detail/3321790001 チケットは1回2000円と良心的。生の舞台では役者さん達に注目していたので、配信では照明など全体像を楽しむことにしよう。
2020年10月21日追記
配信では、冒頭に猿之助さんと勘十郎さんのコメントがあり、休憩時間は全てカットされて、2時間6分にまとめられていた。
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