「歌舞伎特選DVDコレクション」90号は「恋飛脚大和御往来 封印切」で、平成20年(2008年)1月に松竹座で行われた公演が収録されている。本編81分。音声ガイドは収録されていない。 4:3映像のため、両サイドに灰色の帯がある。
亀屋忠兵衛に中村翫雀(現・鴈治郎)さん、丹波屋八右衛門に中村橋之助(現・芝翫)さん、井筒屋おえんに坂東竹三郎さん、槌屋治右衛門に坂東彌十郎さん、傾城梅川に中村扇雀さんの配役。
江戸時代に実際に起きた事件をもとに、近松門左衛門が人形浄瑠璃「冥途の飛脚」を書き、それを改作した「けいせい恋飛脚」を、さらに改作して歌舞伎化したものが「恋飛脚大和往来」。なお、「封印切」に続くのが「新口村」(10号収録)となる。
音声ガイドはないけれど、ややこしい話ではないので、マガジンのあらすじを読んでおけばお芝居についていける。できるなら、文楽の「冥途の飛脚」も観ておくと、文楽と歌舞伎の八右衛門のキャラクターの違いを楽しめる。
この演目の前半の見どころは、忠兵衛と梅川が久しぶりに会ってじゃらつく場面。二人の仲を取り持つおえんの竹三郎さんが非常に美しいのに驚く。後半の見どころは、言うまでもなく、忠兵衛と八右衛門の意地の張り合い、そして、小判の封印が切れて、忠兵衛が残りの封印を破ってしまうところ。
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