「歌舞伎特選DVDコレクション」16号は「東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)」で、平成23年(2011年)8月に新橋演舞場で行われた公演の序幕が収録されている。 本編75分。
藤川新左衛門に中村橋之助(現・芝翫)さん、関口多膳に中村扇雀さん、人形師左宝月に中村獅童さん、高橋秋之丞に中村勘太郎(現・勘九郎)さん、娘お若に中村七之助さん、宝月弟子宇内に坂東巳之助さん、札差伊勢屋徳兵衛に片岡亀蔵さん、母お弓に市村萬次郎さん、勘定吟味役潮田軍蔵に坂東彌十郎さん、花魁小夜に中村福助さん他の配役。
テレビ放送に使用された映像を使っているためか、出演者の字幕が入っていた。
この作品は、G2さん作・演出の新作歌舞伎で、江戸時代の浮世草子「実話東雲烏(じつばなしよあけがらす)」の話をもとにしている。
主人公は、幕府勘定吟味役に仕える、超堅物の藤川新左衛門。仕事を理由に、伊勢屋の娘・お若との縁談を断ってしまう。上司の潮田軍蔵が小夜という吉原の花魁を身請けすることになったが、小夜は新左衛門の同僚である関口田膳の恋人。田膳に頼まれ、新左衛門を偽りの間夫として身請け話を阻止しようとしたが、吉原の宴席で新左衛門は小夜に一目ぼれしてしまい、小夜と祝言を挙げる運びとなる。小夜の身請けの日の前夜、吉原で火事が起き、逃げてきた小夜が偶然出会った田膳に殺されてしまう。新左衛門は小夜は生きていると信じて探し回り、火事から三週間後、小夜として家に連れてきたのは左宝月が作った人形だった…。
G2さん書き下ろしの新作歌舞伎なので、台詞は分かりやすく、テンポよく話が進んでいく。巨大な厨子の中で物語が繰り広げられるという設定が斬新だった。音声ガイドは武家のしきたりなどを説明する程度。マガジンにあらすじが載っているけれど、事前に読まなくてもお芝居は十分楽しめる。
コメント