歌舞伎オンデマンドで「京鹿子娘道成寺」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 2:30-3:38 1時間8分で、配信は1時間7分だった。KABUKIZA 耳寄ナビ動画(14分)付きをレンタルしたので、レンタル料金は3700円だった。
出演は、白拍子花子に八代目尾上菊五郎(8菊五郎)さん、白拍子花子に尾上菊之助さん、所化に大谷友右衛門さん、所化に市村萬次郎さん、所化に河原崎権十郎さん、所化に市川門之助さん、所化に坂東彦三郎さん、所化に坂東亀蔵さん、所化に市村竹松さん、所化に坂東新悟さん、所化に大谷廣太郎さん、所化に中村児太郎さん、所化に大谷廣松さん、所化に市村光さん、所化に市川男寅さん、所化に中村玉太郎さん、所化に中村歌女之丞さん、所化に中村吉之丞さん、白拍子花子に坂東玉三郎さん。8菊五郎さんと菊之助さんの襲名披露狂言とあって、玉三郎さんと3人で花子を勤め、また、所化が友右衛門さん、萬次郎さん、権十郎さんほか超豪華で大人数の出演となっている。雲海から雪の頂きを出した富士山を描いた襲名祝幕が、一層お目出度い。
今回は黒地に枝垂桜の衣装の道行からあったが、8菊五郎さんと菊之助さんの2人の花子は花道すっぽんからの登場。清姫の亡霊だから、すっぽんでも良いのか。菊之助さんは8菊五郎さんに見劣りしない踊りを見せていた。竹本が「道成寺にこそ着きにけれ」と語るところで、8菊五郎さんは本舞台へ向かい、菊之助さんはすっぽんから引っ込む。
花子と所化たちの問答があり、所化の1人が金の烏帽子を花子に渡して花子が一旦引っ込み、所化の”まい”尽くしの台詞で時間稼ぎ。紅白の幕が上がると、赤地に枝垂桜の衣装に金の烏帽子をかぶった3人の花子が立っている。上手から、玉三郎さん、菊之助さん、8菊五郎さん。3人並んで踊っていると、菊之助さんは8菊五郎さんの完全コピーというのがよくわかる。
赤から浅葱色の衣装へ引き抜きで変わった後、玉三郎さんは一旦引っ込み毬つき回避、そして、8菊五郎さんと入れ替わり少しだけ菊之助さんと2人で踊り、また引っ込む。遊郭づくしから振り笠(3連だった)を使った踊りは菊之助さん1人で。たいしたものだ。
藤色衣装の「恋の手習」は8菊五郎さん1人の踊りから。暫くして玉三郎さんも加わり、2人で踊り、そして、手拭いを投げて引っ込む。続いて、お楽しみ所化たちの手ぬぐい撒き。
ひとしきり盛り上がった後、上手から8菊五郎さん、下手から菊之助さんが登場する。黄色地に火炎太鼓の衣装で、胸の前には鞨鼓。2人の踊る姿は、本当にそっくり。菊之助さんは8菊五郎さんから教わったことを丁寧に行っているのが良く分かる。
三味線の見せ場があり、下手から紺地に枝垂桜の衣装の玉三郎さんが出てきて手踊りとなる。引き抜きでの衣装が変わるところは、蛇の脱皮のごとく、というのを聞いたことがある。白地に墨の桜の衣装となり、手には振り鼓。上手から8菊五郎さん、下手から菊之助さんが同じ拵えで舞台へ出てきて、3人で踊る。いよいよクライマックス、鐘への執着を露わにした3人の花子たちは鐘に登って形を作って幕となった。
いやー、菊之助さん、本当に踊りが上手い。相当お稽古したのだろう。10代後半には歌舞伎座で1人で「京鹿子娘道成寺」踊りそうだ。凄いものを見させてもらった。
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