歌舞伎オンデマンドで「江島生島」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、6:19-6:59 40分、配信は39分、レンタル料金は2750円だった。
配役は、生島新五郎に尾上菊之助さん、旅商人に中村萬太郎さん、中臈江島/江島に似た海女に中村七之助さん。
この「江島生島」は、江戸時代に起きた江戸城大奥御年寄江島と歌舞伎役者生島新五郎のスキャンダルを題材に、大正時代に作られた舞踊作品。映像を含めて初めて観るけれど、歌舞伎データーベースで調べてみたところ、2000年以降では2013年11月の巡業(生島:菊之助さん、江島:尾上右近さん)と2018年4月金丸座(生島:尾上松也さん、江島:中村児太郎さん)の2回のみという、レアなものだった。
先ずは暗い舞台の黒幕の前で、七之助さんの江島と菊之助さんの生島の逢瀬の場面。いつしか江島はすっぽんから消えてしまう。これは、生島の夢だった。生島の夢だから、背景が真っ黒でも、江島がすっぽんから引っ込んでも良いのか。
一旦暗転し、再び舞台が明るくなると、そこは八丈島の海岸。継ぎはぎの着物を着た、気のふれた生島が江島の姿を探し求めている。暗転の間に、歌舞伎役者の生島から、八丈島に流されて正気でなくなった生島に変わらないといけないから大変だ。偶然通りかかった、萬太郎さん演じる旅商人が生島に絡まれて気の毒。そうこうするうちに、花道に海女の姿となった七之助さんが登場し、続いて連れの海女たちも出てきて、舞台が華やかに賑やかになる。生島が江島に似た海女と女雛男雛の姿になったりもするが、生島をからかっていた海女たちが最後に去っていく姿は少々残酷にも見える。雨が降ってきたので、笠をかざしてあげる旅商人はやっぱり良い人だ。
この演目が次にいつ上演されるかわからないけれど、気のふれた生島が主人公ということを覚えておこう。
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